太ももの隙間と骨盤の関係性!!
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太ももに隙間が欲しいと思っている方は非常に多いと思います。
ただ、なぜ隙間が欲しいのかをよくよく考えてみて欲しいというのが、これからこの記事を読んでいただく方にお伝えしたい事です。
まず、認識していただきたいのが、「太ももの隙間を作る前にやるべきことがある」ということです。
生まれ持った骨格の特性、筋肉の付き方など個体差は必ずあります。
キーワードは、、、
「脚のラインを整える」
「骨格の特性を知る」
骨格の特性を理解し、脚のラインを一直線に整えた結果、太ももにも隙間が現れるという流れが美脚への近道です。
太ももの隙間に欠かせない骨格の確認
O脚・X脚を招く脚のライン
美脚を語る上で、必ず付きまとうのがO脚・X脚です。
脚の太さや、脂肪を氣にされる方は非常に多いですが、脚の形に意識を向けている人は意外に少ない印象です。
実は脚を細くしたい、脂肪を取りたいという人が最も氣にしないといけない事が太ももの隙間を作ることよりも 「脚のライン」 を氣にすることです。
上図(正面から見た図)のようにO脚・X脚と正常な脚は骨で見るとこのような差があります。
股関節、足首の中央これを結んだラインに対して膝の中央がどちらにあるかがO脚・X脚の判断基準となります。
O脚は膝が、このラインに対して外側に、X脚は内側にズレた状態を指します。
正常な脚のラインは足首の真ん中、膝の中央、股関節の付け根、この3つの点を結んだラインが床と垂直になると脚のラインは整っていると言えます。
人の身体は複雑かつ精巧に作られており、何か一つがズレると、必ずその影響をどこかが受けて関節の捻じれやズレを引き起こします。
この捻じれやズレによって、よく使われる筋肉が決定します。
捻じれるということは偏った筋肉の使い方を強いられます。
これは緊張している筋肉と緩んでいる筋肉に分かれてしまうということを意味します。
これがO脚やX脚を引き起こし、脚のラインを崩す原因、脚の隙間をなくす原因となります。
緊張している筋肉とは過剰に使いすぎて硬くなってしまうということであり、緩んでいる筋肉はその反面、使われていないためにゆるんでしまいます。
このゆるみが隙間を埋めてしまっていたり、隙間はあるけれども内ももに締まりがないという状態を作ってしまいます。
よって、太ももに隙間を作るためにトレーニングよりも先にやるべきことは
緊張している筋肉は緩ませて、緩んでいる筋肉には緊張を与える。
ということです。
つまり、バランスの取れた状態を作ること=バランスよく使うこと、これが脚のラインを正常にするということです。
自分の骨格がどんな感じがイメージ出来ない場合は、1つの参考例として、一般社団法人 骨格診断 アナリスト協会の「骨格診断」が1つの目安になるかもしれません。
あなたの膝の位置はズレていませんか?
膝の位置は突然ズレる訳ではありません。
- ヒールを履く習慣がある。
- 立っている時に常に足裏の外側に荷重感覚がある。
- 脚を組む、お姉さん座りなど座るときの習慣。
など日常の悪しき習慣的動作によって、足部・足関節の骨の歪みや股関節の捻じれ(骨盤に対して太ももの骨が不適切な位置になる)などの影響によって膝がズレてしまいます。
そして、この膝のズレが太ももの隙間に大きく影響します。
太ももの隙間は骨盤や大腿骨のサイズや形状によっても左右されます。
これらの器質的な問題は生まれもったものなので、後天的には変えられない部分になります。
『骨格は、努力をしても変えられません。』
よって、自身の骨格を理解しておくことで、努力の方向を間違えないようにすることができます。
自分の骨格に見合っていないトレーニングを選択することで、思ったような結果が出ない、結果を出すまでに多くの時間を要する羽目になりかねません。
これを頭の片隅に置いて、読み進めてみてください。
骨盤のサイズや大腿骨の形状が太ももの隙間に影響する
骨盤のサイズ
単純に骨盤のサイズが大きい人は太ももの隙間も必然的に広がりやすくなります。
まず、骨盤を詳しく理解しておきましょう。
「骨盤」という言葉を聞いたことはあっても、鮮明なイメージが湧かない人が多いと思います。
骨盤は以下の骨で構成されています。
- 仙骨(せんこつ)
- 寛骨(かんこつ)
- 尾骨(びこつ)
さらに、寛骨は細分化されます。
- 腸骨(ちょうこつ)
- 坐骨(ざこつ)
- 恥骨(ちこつ)
単純に、この1つ1つの骨が大きいと寛骨臼(かんこつきゅう)の位置も広がることになります。
寛骨臼と寛骨臼の距離が広がれば広がるほど股関節と股関節の距離は広がります。
大腿骨の形状
大腿骨(だいたいこつ)とは太ももの骨のことを言います。
この大腿骨が骨盤に収まっているいる関節を股関節と呼び、この股関節の状態が太ももの隙間に大きな影響を与えます。
この股関節の状態はこれからお伝えする器質的に生まれ持った骨の形状にも左右されます。
しかし、股関節の状態は器質的な問題だけで決まるわけではありません。
トレーニングで十分整えられます。
では、太ももの隙間に関わる器質的な部分を解説していきます。
頚体角(けいたいかく)
頚体角とは、大腿骨頸部と骨幹部がなす角度のことで、成人の平均角度が約125°です。
この角度より値が小さくなると内反股(ないはんこ)、大きくなると外反股(がいはんこ)と呼ばれます。
物理的には平均角度より値が大きくなった外反股の方が脚の隙間は作りやすくなります。
前捻角(ぜんねんかく)
前捻角とは、水平面上(体を上から見た時)から見た時に大腿骨頸部が成人も平均角度が10~15°捻じれていることです。
過度前捻角になると太ももの隙間は作りにくくなります。
美脚に絶対必須な骨盤の位置
前述したように、骨盤と大腿骨が成す関節を股関節と言います。
骨盤の正常な位置は上前腸骨棘(ASIS)と恥骨を結んだ線が床と垂直であり、その状態を骨盤ニュートラルと言います。
多くの人が骨盤ニュートラルを維持できておらず、骨盤前傾や骨盤後傾で日常生活を送っている方がほとんどです。
【前傾】
【後傾】
骨盤の前傾、後傾のいずれも足の位置から垂直の位置に骨盤を維持できていないので上半身の重さを適切に支えられません。
骨盤が傾くということは上半身もそれに伴い傾いていきます。
しかし、傾いたままでは目線が下がってしまい、視線を上げるために腰から反ってしまったり、首の動きだけで視線を上げるなど、本来骨盤の位置が正しければ何の問題もないことを違う部位による代償動作によって姿勢を成立させようとしてしまいます。
いわゆる、アライメント不良(姿勢の乱れ)が起こり、腰痛、肩こり、膝痛などの発症リスクが上がります。
結局、アンバランスが生じているので、脚への負担も大きくなります。
しかも、それはバランスを欠いている状態なので、どこかにその負担が集中してしまいます。
その部位が太ももの前側・外側になることが多くなります。
骨盤の位置が良くないと日常生活における「座る」「立つ」「歩く」という基本動作で太ももの前側と外側を常に使ってしまいます。
極論を言うと、無意識のうちに常に太ももの前側と外側をメインに使って生活していることになります。
これでは、脚のラインは崩れる一方で、細くなってほしい太ももの前側、外側だけが太くなり、ほとんど使われないお尻や内ももは「たるむ」一方です。
内ももがたるめば、内もも同士がくっつくことになるので隙間はなくなります。
ゆえに、骨盤の状態が太ももの隙間、美脚作りに与える影響はかなり大きいと言えます。
太ももに隙間がない原因
太ももに隙間ができない原因は上述した器質的な問題とこれからお伝えする後天的な問題の大きく2つに分かれます。
原因1.器質的な問題
器質的な問題は前述したように骨盤のサイズと大腿骨の形状に大きく左右されます。
- 骨盤のサイズが大きい
- 大腿骨の頚体角が正常より小さい
※骨盤の大きさは人と比較すればわかりますが大腿骨の頚体角はレントゲンを撮らないと正確にはわかりません。
この2つが揃うと太ももの隙間は作りにくいです。
これは生まれ持ったものなので、変えることはできません。
この条件に合致する場合は、太ももの隙間を作るために戦略を工夫する必要があります。
原因2.後天的な問題
- 骨連鎖
- アライメント不良
骨連鎖
骨連鎖とは、体の構造的に骨の動き方が決まっている連鎖のことを言います。
例えば、骨盤が後傾すれば、背骨は丸まりやすくなります。
人は個人によって、生活習慣や運動習慣が違います。
それによって動きの癖が定着します。
ある一定の連鎖だけが強化され、体の使い方としては偏りが出てしまうことになり、体の機能としても動きのパターンが限定され、使う筋肉にも偏りが出てしまいます。
これが負の骨連鎖を生み、O脚やX脚を引き起こす原因ともなります。
アライメント不良
アライメント不良とは、各関節や骨の配列が崩れることです。
人は生活習慣や運動習慣で偏った動きが多くなったり、悪しき習慣によって骨の配列が崩れたり、関節がズレたりしてアライメント不良を引き起こしてしまいます。
こうなると、人間本来の機能が損なわれ、さらなるアライメント不良を助長し、悪循環に陥り、本来働くべき筋肉が機能せず、O脚やX脚を引き起こす原因ともなります。
太ももの隙間を作るには?
太ももの隙間を作るためには、ポイントを押さえておかなければいけません。
そのポイントをお伝えしていきます。
ただ、冒頭にもお伝えしましたが、なぜ隙間を作りたいのかをしっかり考える必要はあると思います。
太ももの隙間は何センチがベスト?
まずは、美脚と言える太ももの隙間は何センチが理想なのか?
これは、正直言うと、「規程はない」というのが答えになります。
その理由は、太ももに隙間を作ることが目的なのか、キレイな太ももになることが目的なのか、目的によって理想は変わるということです。
多くの人はキレイな太ももになることが目的で、そのために太ももに隙間が必要と考えていると思います。
太ももに隙間がある方がキレイな脚と思う人もいれば、隙間がなくてもキレイと思う人もいると思います。
これは好みです。
※数値的な基準が欲しいという方も多いと思うので、「身長に対する太ももの基準値」を知りたい方はこちらをご覧ください→細ももの作り方を徹底解説!太さの基準値もご紹介
※太もも、ふくらはぎ、足首の相対的なバランス黄金比を知りたい方はこちらをご覧ください→【徹底解説】綺麗なふくらはぎの条件と細くするための方法
太ももの隙間があるなしの確認方法
太ももの隙間があるかを確かめたいのであれば、左右の内くるぶしの間に拳1個隙間を開けて立ちます。
そして、膝下を内旋・股関節を外旋させた状態で内ももをくっつけようとしてみてください。
これで
くっつけば隙間がない
くっつかなければ隙間がある
と判断できます。
あくまでこれは目安です。
これまでに述べてきましたが、器質的な問題もあるので絶対的な評価ではありません。
太ももの隙間は足裏の状態も影響する
太ももの隙間は確認できましたか?
立ったついでに今の足の重心がどこにあるか確認してみてください。
ほとんどの人が外側だけで重心を感じていると思います。
これに該当する人は、筋肉で立っている可能性が高いです。
太ももが横張する可能性、あるいは横張していることが多いはずです。
理由を簡潔に述べると足首の骨がズレてしまい、その影響で不安定な土台にスネの骨が乗っている状態を強いられるので、そのバランスを筋肉で取ることしかできなくなります。
結果、ふくらはぎの外側、さらには太ももの外側へと負担をかけることになります。
太ももの横張や隙間ができないと悩んでいる場合、足首のアライメント不良が原因の場合がほとんどです。
まずは足の指を使えるようにして、足裏全体で重心を捉えられるようにしましょう。
足の指を使えるようにするためのエクササイズをご紹介しておきます。
足の指は本来、一番付け根の関節であるMP関節から動かす必要がありますが多くの方が指先に近い関節から曲げる癖が強くなっています。
まずは他動的にこのMP関節を動かす練習を行いましょう。
MP関節を他動的に動かせるようになれば、足裏を地面に着けた状態で使えるように練習しましょう。
地面に足を着けた状態でMP関節を使えるようになると「たこ足」と言って最も先端の足指の関節が曲がり、足裏が地面に吸い付くようにピッタリ着くようになります。
※足首とスネの関係は脚のラインに大きく関わります。足首の骨がズレるとはどういうことか、足の指を使えるようにして足裏全体で重心を捉える方法、足首がズレたらどうすれば良いのか氣になる方はこちらをご覧ください→足首が硬い原因はズレによる筋肉の発達にあり!
足裏のアライメントを整えてしっかりと足の指を使えるようにすること、これが「直線的な脚のライン」 = 「美脚」を作り上げる土台となります。
太ももに隙間を作る方法
太ももの隙間の問題は単純に太もものサイズも影響しますが、サイズが大きくなれば隙間はもちろん作りにくくなります。
ただ、太もものサイズがなぜ、大きくなっているのかという点を考えなければなりません。
先にも述べましたが、偏った骨連鎖の習慣化、アライメント不良による関節のズレなどによって、筋肉や脂肪の付き方は大きく変わってきます。
まずは、「脚のねじれ」=「膝関節のズレ」を治していくことが先決です。
※脚のねじれを治したい方はこちらもご覧ください→脚のねじれ解消法で立っても歩いても綺麗な真っ直ぐ美脚を手に入れよう!
太ももに隙間ができる立ち方
足裏の重心、脚のねじれなどアライメント不良の原因は良くない立ち方が引き起こします。
立つことは日常の基本動作であり、立ち方を改めることが絶対不可欠です。
太ももの隙間も立ち方で大きく変わります。
では、どう改めるのか。
「骨で立つ」感覚を養ってください。
この感覚を一言でお伝えすると、力を適度に抜いて立つということです。
「膝を抜く」という方法になるのですが、これができると筋肉を使わずに骨に乗れるので筋肉がメインの立ち方ではなくなります。
必要最低限の筋肉で立つことになるので、どこかの筋肉に偏らず、楽になります。
逆に言うと、太ももに隙間がない人、太ももが太いと感じている人は重心が太ももの前側や外側に行きがちなので、どうしてもそこの筋肉ばかりが働きやすくなります。
結果、太くなるので隙間もできにくくなります。
ぜひ、骨で立つ練習に取り組んでみてください。
【最後に】太ももの隙間にこだわる必要はない
前述したように、単純に太ももが痩せれば隙間はできます。
「痩せる」の本来の意味は「身体の肉が落ちて細くなる」です。
必要な筋肉までも落ちてしまうのは、上記の意味とはまた違った話になります。
食事を減らし、コントロールすれば痩せます。
ただ、「痩せる」≠「引き締まる・キレイ」なので「食べない」だけという選択では望んだ結果は得られにくいです。
『細さは食事で変わりますが、形は食事では変わりません』
やはり、太ももが細く引き締まった人、脚がキレイだなと思うような人は必ず運動・トレーニングを行い食事への意識も高くバランスが取れています。
しかも、脚のキレイな人は動きがしなやか、トレーニングフォームがキレイ、所作が美しいです。
脚を細くキレイに引き締めたい、メリハリを求めるのであれば・・・
迷わず
『理にかなった体の使い方で体を動かすこと』
これに取り組んでください。
「筋肉を鍛える」から「動きを鍛える」という意識改革がマストです。
辛い筋トレをしなければ結果は得られないというイメージを持っているのであれば、今すぐ捨ててください。
だからと言って、勘違いしてほしくないのは筋トレを否定している訳ではありません。
動きを鍛える中で、筋肉は動きに合った働きをするので自ずと筋肉も備わっていくという考え方です。
※『理にかなった体の使い方で体を動かすこと』を知りたい、『動きを鍛えたい』という方はこちらもご覧ください→【最新の美脚作り】身体操作を取り入れたムーブメントトレーニング
筋トレはしないけど、ヨガやピラティスには通ってインナーマッスルを鍛えるという方も多いと思います。
もちろん、インナーマッスルは重要です。
恐らく、「インナーマッスル」=「しなやか」=「細くなる」 というような連想をしている方も多いと思います。
この構図も間違ってはいません。
ただ、インナーマッスルが全てではないということを伝えておきます。
アウターマッスルも運動やスポーツなど体を動かす際には必ず必要です。
何が言いたいかというと、インナーマッスルとアウターマッスルを分けて考えること自体が不自然ということです。
動きを鍛えることにフォーカスし、理にかなった動きが再現できれば勝手に全てが機能します。
動きを鍛えることで、脚は細くなっていきます。
理にかなった動きを身につけることで、日常生活における立つ・歩くなどの動き、ちょっとした所作などが美しくなっていきます。
動きや所作が美しい人は、脚のラインも美しいです。
太ももの隙間を作りに行くのではなく、正しい体の使い方、美しい動きの追求をすることで、脚のラインは整っていきます。
その結果、太ももの隙間ができるという考え方が自然です。
まずは、日常動作の大半を占める「立ち方」を見直すことから始めてみてください。
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定資格 NESTA-PFT 取得
美尻トレーナーとしてMBS系列「痛快!明石家電視台」「メッセンジャーの○○は大丈夫なのか?」に出演