脚のねじれ解消法で立っても歩いても綺麗な真っ直ぐ美脚を手に入れよう!
「キレイで真っすぐな脚になりたい!」と思われる女性は非常に多いと思います。
昔から脚が太いことが気になっていて、小さい頃から今まで脚が一度も細くなったことがないという人もいると思います。
では、なぜ脚は細くならないのでしょうか?
細かいことを言えば理由はたくさんありますが、最も大きな要因と言えるのが『脚のねじれ』です。
「脚のねじれ」ってどういうこと!?
と思う人がほとんどではないでしょうか?
今回は、美脚になるために避けては通れない「脚のねじれ」について掘り下げて行きます。
脚のねじれの正体は?
「脚がねじれる」とはどういうことでしょうか?
- 骨がねじれている?
- 筋肉がねじれている?
色々な想像が働いている人もいれば、全く見当もつかないという人もいると思います。
結論を言うと「脚のねじれ」の正体は『膝関節(ヒザかんせつ)のズレ』です。
まず、膝関節の正確な位置を確認します。
大腿骨(だいたいこつ=太ももの骨)と脛骨(けいこつ=スネの骨)で成す関節を指します。
この膝関節がズレることでO脚やX脚などを引き起こし、脚のラインを崩す原因となります。
この『膝関節のズレ』とはどういう状態なのか下記画像で確認してみましょう。
ヒザ関節が正常な状態
大腿骨の中心と脛骨の中心が合う状態
ヒザ関節がズレた状態
大腿骨の中心と脛骨の中心がズレた状態
このように大腿骨と脛骨がズレることで脚のねじれが生まれます。
つまり、膝関節がズレることで膝周りに付いている筋肉がねじれることになります。
筋肉は骨から骨へ付着し、必ず関節をまたいでいます。
よって、筋肉が縮んだり、伸びたりすることで関節が動くわけです。
これをわかりやすく図で解説します。
太ももの前側の大腿四頭筋(だいたいしとうきん)と太ももの裏のハムストリングスという筋肉を例にして見てみます。
【膝関節が伸びた時】
【膝関節が曲がった時】
見てわかるように、動作においてテンションが掛かる(伸びる)筋肉と縮む筋肉は必ず同時に存在します。
そして、重要なポイントが「同時に働くこと」なので、膝が伸びて大腿四頭筋が縮んだ時に、ハムストリングスは緩むのではなく伸びながら働いていることが求められます。
この状況が破綻したときに筋肉のバランスが崩れます。
上記画像の例でこの状況を説明すると、ハムストリングスが弱くなり、大腿四頭筋が常に優位に働くことで太ももの表の筋肉が強くなり、ハムストリングスとのバランスが取れなくなり、前ももが太くなってきたり、膝の痛みを引き起こしたりします。
筋肉はどちらか一方が弱くなることで拮抗関係が崩れます。
常に拮抗しながら働くことが肝要で、関節の働く方向によって拮抗バランスを調整できる状態が理想と言えます。
これが筋肉のバランスを崩すメカニズムです。
脚のねじれの原因
ハムストリングスのバランスの崩壊
上述したように筋肉の拮抗関係が崩れることで筋肉バランスが破綻します。
脚のねじれにおいても同様で、その問題を引き起こしている拮抗関係にある筋肉たちが、
- 大腿二頭筋(だいたいにとうきん)
- 半腱様筋(はんけんようきん)/半膜様筋(はんまくようきん)
※半腱様筋/半膜様筋は、それぞれ独立した1つの筋肉ですが、脚のねじれにおいては2つで1つと考える方がわかりやすいのでセットにしています。
この3つの筋肉の総称でハムストリングスと呼ばれています。
前項でハムストリングスは膝を曲げる働きと認識していただいたと思いますが、他にも働きがあります。
大腿二頭筋→膝関節を外側に回す(外旋)筋肉
半腱様筋・半膜様筋→膝関節を内側に回す(内旋)筋肉
ハムストリングスは大抵の場合、「大腿二頭筋」が「半腱様筋・半膜様筋」より強く働くことを強いられて拮抗バランスが破綻します。
「大抵の場合」というのは、日常の動作で習慣的に大腿二頭筋が優位に働くようになっているという意味になります。
この理由に関しては、後の「ねじれを起こすNGな習慣」で詳しく解説します。
筋肉の癒着による動作の阻害
「脚のねじれ」=「筋肉のねじれ」を作っているもう一つの原因は『筋肉の癒着』です。
筋肉は重なり合うように層を成して配置されています。
それぞれの筋肉が正常に働くためには、筋肉同士が面してはいるけど、くっついてはいないという状態であるべきです。
わかりやすく例えてみると、剝がしやすいシールみたいなイメージです。
長年放置したシールはベトベトして、キレイには剥がしにくいという経験ありますよね。
あれが筋肉にも起こっていると思って頂ければわかりやすいと思います。
それが筋肉の癒着です。
脚のねじれに関して言えば、
- 大腿直筋(だいたいちょっきん)
- 外側広筋(がいそくこうきん)
- 大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)
- 腸脛靱帯(ちょうけいじんたい)
- 半腱様筋(はんけんようきん)
- 半膜様筋(はんまくようきん)
- 大内転筋(だいないてんきん)
この7つの筋肉のいずれか同士が癒着をしていると脚のねじれは解消しにくいです。
この流れでこれらの筋肉の癒着の解決法をご紹介したいところですが、まずは
- 脚がねじれていない状態とは?
- まっすぐな脚とは?
どういう状態かを見ていきます。
この筋肉の癒着の解決方法は後程「筋肉の癒着を取り除く」の項でご紹介します。
まっすぐな脚とは?
ここまでの内容でなんとなく、ねじれのないまっすぐな脚とはどういうことか分かってきたと思います。
「膝関節がズレていない脚」が比較的まっすぐな脚と言えます。
これにプラスして
- 足首の真ん中
- 膝の中央
- 股関節の付け根
が一直線であれば脚のラインはまっすぐにキレイに見えます。
かつ、骨盤を内側に締める感覚を持つと尚良いです。
このラインが崩れた時に下記画像のように脚の外側に体重が乗りやすくなりX脚やO脚となる原因となってしまいます。
また、膝関節のズレというのが脛骨(けいこつ)と大腿骨(だいたいこつ)の関節面がズレていることを指します。
細かく言うと、脛骨の脛骨粗面(けいこつそめん)と大腿骨の外側上顆(がいそくじょうか)・内側上顆(ないそくじょうか)を結んだラインが二等辺三角形であれば関節面は正常であり、脛骨粗面と内側上顆を結んだラインより、脛骨粗面と外側上顆を結んだラインの方が短い三角形になると膝関節がズレていることになります。
【正常】
【膝関節のズレ】
では、ここからが本題です。
「脚のねじれの解消法」をお伝えします。
脚のねじれはどうすれば解消できるのか?
脚のねじれは上述したように脛骨(けいこつ)と大腿骨(だいたいこつ)のズレで引き起こされます。
ということは、このズレを元に戻せば脚はまっすぐになるということです。
骨のズレ自体は手技を用いれば、比較的簡単に元に戻ります。
※ただし、自分でやるには難しいので専門家にお願いすることをお勧めします。
骨のズレが戻せても、膝関節がなぜズレているのかを考えなければ、そしてその根本的な問題にアプローチをしていかないと、またすぐにズレた状態に戻ってしまいます。
この原因が先にも述べたように、
- 「筋肉の癒着」
- 「筋肉の拮抗バランスの破綻」
になります。
では、順に解説していきます。
筋肉の癒着を取り除く
まずは、厄介な筋肉の癒着を取り除くことから始めていきます。
- 大腿直筋(だいたいちょっきん)
- 外側広筋(がいそくこうきん)
- 大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)
- 腸脛靱帯(ちょうけいじんたい)
- 半腱様筋(はんけんようきん)
- 半膜様筋(はんまくようきん)
- 大内転筋(だいないてんきん)
これらを緩めることで、それぞれの筋肉が働きやすい状態になります。
この筋肉の癒着は最近、流行っている筋膜リリースが効果的です。
この筋膜リリースはストレッチポールを使うとお手軽に行うことができます。
フォームローラー®という筋膜リリース専用のツールも売っています。
ゴロゴロ転がすだけで効果を発揮します。
フォームローラー®を販売している「TRIGGER POINT」さんで効果など説明していますので氣になる方はご覧ください。
今回はストレッチポールを使った方法を解説していますので、こちらをご覧になりながら実践してみてください。
筋肉の拮抗バランスを整える
整えるべき拮抗関係にある筋肉が
- 大腿二頭筋
- 半腱様筋/半膜様筋
この2つのバランスを整える必要があります。
大腿二頭筋が優位に働き、縮んだ状態で硬くなっています。
逆に、半腱様筋・半膜様筋は大腿二頭筋と拮抗関係にあるので、働きづらく伸びて弱く硬くなっています。
つまり、拮抗バランスが崩れるということは、いずれの筋肉も硬くなるということなり、筋肉が縮み過ぎて硬くなるか、弱すぎて固まってしまうかということになります。
これをいっぺんに解決してくれるストレッチをご紹介します。
下記動画を参考に行ってみてください。
このストレッチをした後に、弱く硬くなった半腱様筋・半膜様筋のエクササイズを行い活性化し、鍛えることで拮抗バランスは整えられます。
こちらも下記動画を参考に行ってみてください。
これらのアプローチで脚のねじれは改善されていきます。
ただし、これらのアプローチはねじれた脚を戻す作業であり、根本解決とは言えないのです。
ねじれないようにすることこそが根本解決です。
脚のねじれを引き起こす日常動作
「ハムストリングスの問題」という項で述べましたが脚のねじれを引き起こしている問題の一つである「大腿二頭筋」と「半腱様筋・半膜様筋」の拮抗バランスの乱れ、これを招いているのが日常動作の悪しき習慣です。
大抵の場合、日常の動作で習慣的に大腿二頭筋が優位に働くようになってしまいます。
全ての人間が例外なくです。
まず、なぜ大腿二頭筋が優位に働くかを解説します。
それは、膝関節の関節面の角度にあります。
膝関節を構成しているのが大腿骨(だいたいこつ=太ももの骨)と脛骨(けいこつ=スネの骨)です。
※下記画像は左脚を後ろから見た画像
よく見ると、大腿骨の外側の方が上に位置しています。
これによって、脛骨が外側に回りやすい構造になっています。
よって、膝関節の構造上、大腿二頭筋が優位に働きやすいという訳です。
※下記画像は右脚を正面から見た画像
O脚やX脚になりやすいのも、これが大きな要因と言えます。
では、構造的にそうなりやすいのならどうすれば良いの?となりますよね。
世の中には、脚のねじれが無く、まっすぐな脚の人もいる訳で、その人たちがどういう習慣で日常を過ごしているのかを次の項で解説していきます。
脚のねじれ根本的解決法
まず、脚がねじれていない人は立ち姿、歩き方が綺麗なはずです。
特別なことをして綺麗を保っているというよりは、日常動作そのものの質が高いということです。
『日常動作の改善』こそが脚のねじれの根本的解決法になります。
日常動作のどこを改善すべきか?
- 立ち方
- 歩き方
まずは、この2つです。
日常の大半の時間を占めているこの2つの局面を適正化するだけで状況が大きく変化します。
トレーニング云々の前にきちんと立てているか、正しく歩けているか。
これを見直すことが最も効率的かつ楽な選択です。
では、脚がねじれない立ち方、歩き方を見ていきます。
これまでの話しから想像すると、外側にズレた膝を内側に向けるように立てばいいんじゃないの?と思うかもしれませんがこれは膝ごと回る可能性があります。
膝を意識すると、大腿骨も一緒に内側に回ってしまう可能性が高くなるので、膝関節が正常に戻るのではなく、脚ごと全体的に内側に回り内股のような状態になりかねません。
よって、立つ時も歩く時も意識してほしいのが「スネ(脛骨)が内側に向くような立ち方」です。
意識を膝からスネ(脛骨)に変えるだけで、膝の力みが無くなり、太ももの力感も消失します。
目指すべき立ち方は、膝の力を抜き、骨で立つ感覚です。
骨で立つ感覚なんて初めて聞いた人は全くピンと来ないと思います。
ポイントを下記動画でチェックしてトライしてみてください。
歩き方に関しても、立つ時と同様に「一本足で“骨で立つ感覚”の連続」を意識するということです。
足首の真ん中、膝の中央、股関節の付け根が一直線の状態でかつ、脛骨(けいこつそがやや前傾している状態で着地する感覚を持って歩くとかなり楽に歩くことができます。
楽に歩けるということは、力がどこか一ヶ所に偏っていないということです。
楽に歩ける歩き方は下記動画でご覧ください。
この歩き方をマスターすることで脚のねじれは極めて起こりにくくなります。
ただ、動画をご覧になっていかがでしたか?
ちょっとイメージと違う歩き方に感じた方が多いと思います。
一般的に考えればモデルさんのような良い姿勢で颯爽と歩く姿を想像したと思います。
今、ご紹介した歩き方はあくまで楽に歩けることに特化しています。
特に綺麗に魅せることを意識していません。
まずは、骨で歩く、楽に歩ける感覚を手に入れ、そこから綺麗に魅せる歩き方へと発展していただければと思います。
魅せる歩き方も知りたいという方はリンクを貼っておきますので、ことらからチェックしてみてください。
それでも脚のねじれが直らなかったり、改善が見られない場合もあります。
それは、他に原因があったり、正しいと思ってやっていたけど、それが間違っていたりするので、その場合はトレーナーに相談して改善点を見つけてもらい正しいアプローチを教わることをおすすめします。
まとめ
「脚のねじれ」は「膝関節のズレ」であり、全ての人間が構造上、膝関節はズレやすく、日常動作、特に立ち方、歩き方がエラー状態になり起こってしまいます。
この悪しき習慣によって、膝関節を外側に回す大腿二頭筋が優位に働く結果となり、膝関節を内側に回す半腱様筋・半膜様筋が弱くなり、拮抗バランスが破綻し、結果的に双方の筋肉は硬くなります。
また、この悪しき習慣は筋肉の癒着をも引き起こし、さらに厄介な状態に招きます。
まずは、
- 癒着を取り除くこと
- 「大腿二頭筋」と「半腱様筋・半膜様筋」の拮抗バランスを整えること
この2つを実行しつつ、根本的な解決方法として、
- 立ち方の改善
- 歩き方の改善
この2つにも取り組むことで脚のねじれは解決していきます。
取り組んだものの、一向に成果が出ない場合はやり方が正確でなかったり、間違っている可能性もあるので、その場合はトレーナーにご相談ください。