糖質は筋トレ時に必須!痩せるために行う筋トレに糖質が必要な理由を解説
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ダイエットの方法には実に様々な方法があります。
体を動かすことはもちろんのこと、食事制限もダイエットにはとても有効な手段です。
中でも、糖質制限に対する意識の高さが伺える昨今、糖質の正しい知識を持って身体づくりに活かすことがとても重要になります。
また体と糖質の関係を知ることは結果的にダイエット効果を高めることにもつながります。
今回はこの糖質と身体の関係を紐解き、筋肉を鍛える際にどのように糖質と向き合うと健康的なダイエットができるのかをご説明していきます。
ダイエットにおける糖質制限をメインに食事に関する話をしていきますので、ぜひ健康的なダイエットにお役立てください。
フィットネス業界の糖質制限とは?
フィットネス業界において、ダイエット目的の食事制限で最もメジャーなのが「糖質制限ダイエット」と呼ばれるものです。
この糖質制限ダイエットというものは、別名
- 「ローカーボダイエット」
- 「低糖質ダイエット」
など、様々な呼び方で呼ばれています。
基本メカニズムはカーボ(=糖質)やファット(=脂質)などの「取り過ぎると太りやすいと言われる食べ物」を極力減らすといったダイエット方法です。
上記のダイエット方法は、他のダイエット方法に比べてカラダの変化が出やすいとされ、主流なダイエット方法で、大手パーソナルトレーニングジム等で未だによく使われる食事制限メソッドとなります。
糖質制限における注意点
結果が出やすいこの食事制限メソッドですが、実はリバウンドや身体への負担を考えて行わないと、ゆくゆくはダイエットと逆の効果が出たり、健康を被害を及ぼすなどのデメリットを生み出してしまいます。
そうならない為にも、糖質制限ダイエットはメカニズムやデメリットをしっかり理解してから行うことが大切です。
「痩せる」という結果と「リバウンド」というリスクを同時に持つダイエット法なので、この記事では少し専門的な内容も含めながら、解説をしていきます。
炭水化物抜きダイエットのはしりとなったアトキンスダイエット
そもそも「糖質を極力摂らないようにする」ダイエット方法や、「3大栄養素の1つである炭水化物をとらないようにする」ダイエット方法の元となる考え方を考案した方は、アメリカの医学博士であるロバート・アトキンス氏と言われています。
炭水化物の摂取を制限することで、カラダの中に蓄えられた脂肪をエネルギーとして使われるようにして、短期間で体重(体脂肪)を落とすことができるという即効性があるダイエット方法として世に打ち出しました。
現在、「ロバート・アトキンス」という名前は知らない方がほとんどですが、ローカーボダイエット、糖質制限ダイエットなどは耳にされたことはあると思います。
これらは、全てアトキンスダイエットからの流れになります。
短期間の肉体改造をうたっているジムの多くは、この食事制限を提唱していることが多い傾向にあります。
そもそも糖質とは?
まず、糖質制限を知る前に糖質が何なのかを知る必要があります。
わかりやすく表で表してみます。
糖質は炭水化物を「食物繊維」と「糖質」に分けた時に最も身体のエネルギーとして使われる栄養素です。
食物繊維は「人の消化酵素で消化されない難消化性分の総体※」と定義されています。
糖質は逆に「人の消化酵素で分解消化されるもの」です。
糖質は、さらに分類すると糖類となり、その種類が多糖類、二糖類、単糖類となります。
- 多糖類→白米や芋に含まれるグリコーゲンやでんぷんなど
- 二糖類→麦芽糖(マルトース)、乳糖(ラクトース)、ショ糖(スクロース)など
- 単糖類→ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ガラクトース
という風に分けられます。
例えば、多糖類のでんぷんはブドウ糖が多数つながった構造をしています。
- でんぷん=ブドウ糖+ブドウ糖+ブドウ糖+・・・・・
二糖類で言えば、
- 麦芽糖=ブドウ糖+ブドウ糖
- 乳糖=ブドウ糖+ガラクトース
- ショ糖=ブドウ糖+果糖
そして、身体に吸収されるためには必ず単糖類まで分解しなければならないということです。
よって、二糖類も分解の過程が必要で、多糖類はさらに分解に時間を要するということになり、米や芋は腹持ちが良いと言われたりするのです。
これらを頭の片隅に置いて読み進めていってください。
また、糖質は食物繊維と一緒に摂ることで吸収を緩やかにしてくれる作用があります。
つまり、食物繊維と一緒に糖質を摂取することで糖質の吸収が緩やかになり、脂肪になりにくくなります。
これが原因で「糖質=太りやすい」というイメージがついてしまっています。
本来、糖質は身体のエネルギーとして使われているので絶対に必要な栄養素ですが、太りやすいという理由で敵視されているのが現状です。
糖質は人間が生きていく上で最も重要なエネルギー源であり、日本人は1日に摂取するエネルギーの約50~60%が糖質です。
この数値を上回る量の糖質を摂ると太るリスクが上がったり、逆に下回るとエネルギー不足で疲れやすかったり、身体の回復が遅れたり、頭が働かないというようなことも起こってしまいます。
簡単に言うと、糖質を摂らなければトレーニングをハードに行うことも出きません。
それどころか、脳のエネルギー源ともなるので場合によっては日常生活にも支障をきたしてしまうのです。
糖質と脂質は筋トレや運動時に欠かせないエネルギー源です。
糖質は4kcalのエネルギーを産生し、身体の様々な組織のエネルギー源として働き、グリコーゲンというエネルギー代謝に必要な物質として、主に肝臓や筋肉に肝グリコーゲン(400kcal)、筋グリコーゲン(1600kcal)として貯蔵されています。
糖質は重要な栄養素なのです。
ちなみに脂質は体脂肪として約80,000kcal分もの量が蓄えられています。
痩せるために行う筋トレに糖質が必要な理由
上述した内容からグリコーゲンがあらゆる代謝のエネルギー源ということはご理解いただけたと思います。
では、なぜ痩せるために糖質が必要なのか?というところを解説していきます。
まず、お伝えしておきたいのが、「脳」と「糖質」の関係です。
実は、脳は摂取した糖質の総エネルギーの約20%を使っており、糖質制限を行うことで脳がどうなるかというと・・・食欲が満たされず、「飢餓状態」だと感じるということです。
その状態が長期間続くとカラダはエネルギーをできるだけ使わないでおこうと省エネモードに切り替わります。
これは、人間に備わった「防衛本能」で少量の食事でも生きて行けるように基礎代謝量を落とし、さらに脳の働きを最優先に、筋肉に保管されていたグリコーゲンを非常用として使用し脳の機能を維持します。
つまり、糖質を極度に制限すると脳が身体のエネルギーを使い、そのせいで筋肉中のエネルギーが枯渇する・・・ということです。
こうなると筋肉は働くことすらできず、その上、少量の糖質は大切に無駄遣いせずに貯めこもうとしてしまいます。
「筋トレで力は発揮できない」「糖質を貯めこもうとして痩せない」と良いこと無しなのです。
筋トレと糖質制限を語る上で知っておきたいグリコーゲンの特性
糖質制限ダイエットは重要なエネルギー源となる糖質を減らし、体重を落としていく訳ですが、エネルギー源であるグリコーゲンには体重増減に関する驚くべき特性があります。
特性1.グリコーゲンで体重が増えるメカニズム
グリコーゲンは、その質量の3~4倍の水分と結びつく性質を持っているので、摂り過ぎた場合は太り、一時的に体重が増加します。
特性2)グリコーゲンで体重が減るメカニズム
逆に、糖質を制限している時は筋肉に保管されていたグリコーゲンを非常用に使用します。
その際に、結びついていた3~4倍もの水分も一緒に体外へ排出されるため、体重が減る訳です。
つまり、糖質制限が理由で体重が落ちている時は体脂肪が落ちた訳ではなく、水分が抜けただけなのです。
筋トレ時に糖質を摂るメリット
ここまで何度も登場してきたグリコーゲンが、体重増減のポイントになることは分かったと思います。
次に、筋トレ時に糖質を摂るメリットを明確にしておきます。
筋トレ時に糖質を摂るメリットは2つです。
- 筋肉の合成に助ける
- グリコーゲンの材料となる
この2つを簡単に解説していきます。
糖質は筋肉の合成を助ける
糖質が不足した状態だと、筋肉を作るための材料となるタンパク質をエネルギー源として使うため、筋肉の合成がとどこおります。
糖質がきちんと取れている状態ですと、トレーニング中に必要なエネルギーを炭水化物(糖質)から産生するので、体内のタンパク質の分解を抑えることができ、筋肉を育てることにつながります。
エネルギー源となるグリコーゲンの材料となる
炭水化物(糖質)は筋肉や肝臓にグリコーゲンとして貯蔵され、必要に応じてエネルギーとして消費されます。
グリコーゲンが十分に満たされていない状態は、筋トレ時に必要なパワーを発揮できないため、筋トレの質は必然的に落ちてしまいます。
また、炭水化物(糖質)は脳の唯一のエネルギー源なので、十分な量を摂取しておくことで集中力が持続し、筋トレ時のパフォーマンスに良い影響を与えます。
よって、筋トレにおいて糖質を摂ることはメリットというよりは、むしろ絶対不可欠と言えます。
糖質制限が痩せる理由
では「痩せる」という点でなぜここまで糖質制限が世の中に浸透してきたいのでしょうか?
それは、糖質制限ダイエットが簡単に痩せる大きな理由として、以下の2点があげられる点にあります。
- 単純に摂取カロリーが減るから
- 脂肪の蓄積を押さえ消費を増やすから
単純に摂取カロリーが減るから
一般的に1日に摂取するカロリーのうち、半分が炭水化物で、この炭水化物を減らすと単純に摂取カロリーが減るから、体重減になりやすくなります。
脂肪の蓄積を押さえ消費を増やす
炭水化物を制限すると血糖の上昇を抑え、低血糖の状態を維持できるので、脂肪の蓄積を押さえ、脂肪の消費を増やします。
この中で、脂肪が増えたり、減らしたりするポイントとなるものが、インスリンとグルカゴンと呼ばれる、2つの物質が関わっていて、その機能は以下のようになります。
ダイエット時のインスリンの作用
これは、血液の中にブドウ糖が増えすぎたら「カラダにとって余剰となるブドウ糖を血液の中から排除せよ」と、カラダ中の細胞に指示する為に放出されるホルモンです。
インスリンについてもっと詳しく知りたい方は厚生労働省運営の以下サイトで調べることができます。
このインスリン分泌により、肝臓や筋肉細胞がブドウ糖をグリコーゲンという物質に変換してエネルギー源として備蓄していくのですが、肝臓や筋肉の細胞はそんなに容量がないので、収納不可能となったブドウ糖は限りなく収納が可能な、脂肪細胞へと送られ、脂肪に変えて溜めこんでしまい、これが太るという結果を招いてしまいます。
血糖値を上げ続けると、インスリンという「ブドウ糖を脂肪として蓄積するように指令をだすホルモン」を分泌し続けるため、体脂肪が増加し続けることになります。
グルカゴン分泌で脂肪燃焼
グルカゴンはインスリンとは逆に、「血糖値が低くなると放出されるホルモン」です。
グルカゴンについては血糖値の解説として厚生労働省運営の以下サイトで調べることができます。
これにより肝臓の細胞は糖の不足を補うために、肝臓で備蓄されていたグリコーゲンをブドウ糖へと変換して血液中に放出します。
そして、脂肪細胞も非常事態のエネルギー源として備蓄していた脂肪を血液中に放出します。
これをエネルギーとして、カラダの色んな細胞が活動できるようになるといったメカニズムになっています。
これらメカニズムで、糖質制限をして血糖値を下げると、体脂肪は減少し身体は痩せる方に向かうのでダイエットにつながるというわけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
糖質がどのように筋肉に作用して、私たちのエネルギー(筋肉を育てる役割)に変換するか少しだけわかっていただけたのではないでしょうか?
「糖質」と聞くと太っちゃうんじゃない?と不安に思うかもしれませんが、上記のように糖質はトレーニングには必須の栄養素となります。
上手に付き合うことが、健康的な体重への足掛かりとなりますので、健康の維持管理にこの記事をお役立ていただければと思います。
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