喫煙はダイエットの敵か味方か!食事とタバコの実際!
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ダイエットしたい人のタバコ事情
ダイエットに取り組む方の中には「喫煙をしているけどやめた方が良いのでは?」とお考えの方や、逆に「禁煙したいけど体重が増えるのでは?」と心配になられている方もおられると思います。
この記事では体づくりという点での「タバコとダイエットの関係」をご説明していきます。
ダイエット中の禁煙は効果的なのか?
健康という点でいえば、喫煙はしないに越したことはないといえますが、
「ダイエット中に禁煙をしないといけないのか?」
とダイエットに絞った考えで言えば、
「代謝を下げてしまいそうだから駄目」とか
「食欲を減退させるから喫煙はダイエットにむいている」
など、色んな考え方が出来ます。
まずはタバコとダイエットの関係について深く考えてみましょう!
そもそも、タバコとは一体どういうものなのか?
タバコとは、一般的に紙巻煙草を指す事が多くタバコの種類も様々なものがあります。
- 噛みタバコ
- 嗅ぎタバコ
- 葉巻タバコ
- 刻みタバコ
などがあります。
タバコが日本に伝えられた当初、喫煙やたばこ耕作は、風紀の乱れや失火、米や麦などの耕作の妨げになるとして禁じられましたが、当時から今にかけてずっと喫煙という文化は残り続けています。
平成30年のJT全国喫煙者率調査によると、日本人の喫煙率は、成人男性27.8%、成人女性8.7%というデータがでています。
この数値からもある程度推察できますが、筋トレをしている人やトップアスリートでも喫煙者がいるのが現状であると推測されます。
しかし、ここで一つの疑問が生まれます。
「筋トレ実践者やアスリートも喫煙者であれば、そこまで身体に悪影響がないのではないのか?」といったことです。
実際の喫煙者の方も、禁煙をする際に喫煙欲が食欲へと変わり太ってしまったということをよく耳にすると思います。
タバコを吸っていることで、食欲がわかなくなりダイエットができているので、何かしらの効果があるのではという錯覚をお持ちの方も多いです。
ダイエットの観点から見るタバコがもたらす人体への影響
タバコが人体に、もたらす影響は数知れませんが今回は「ダイエット」という観点で話を進めて行きます。
まず、先にタバコに関して簡単に説明しておきます。
タバコと言えばニコチン、タールという言葉が思い浮かびます。
タールというのはタバコを吸った時に歯を茶色く染める「ヤニ」のことです。
そのタールに含まれている成分の1つにニコチンがあります。
このニコチンは脳を興奮させ(交感神経を刺激)、血管を収縮させ、血流を低下させてしまい心臓への負担を増やします。
このニコチンの働きがダイエットをする上でかなり厄介な存在になります。
喫煙する人としない人の体の違い
タバコの働きからも分かるようにダイエットをする上で喫煙する人としない人の体の違いは大きく以下の2つです。
- 運動能力の低下
- 血管、血液への悪影響
この2つがどうダイエットに影響していくかを説明していきます。
タバコは運動能力の低下を招く
運動能力の低下というとかなり広い範囲になってしまいますが代表的なのは心肺機能の低下、これはよく聞くと思います。
ランニングやジョギング、ちょっとしたダッシュで息切れしやすくなるというイメージです。
しかし、最も懸念すべきはニコチン依存です。
「習慣的な喫煙=ニコチン依存」
つまり、毎日の喫煙により交感神経を刺激し続けるためニコチンがないと交感神経が上手く働かない状態になっていく可能性があります。
筋トレをする時に「よし、行こう!」というやる気スイッチみたいなものが入りにくい状態になるということです。
交感神経は脳をアグレッシブに活動させ、身体も動きやすい状態に持って行ってくれるのですがそれをコントロールできなくなり、トレーニングの質が低下することに繋がります。
タバコは血管、血液に悪影響を与える
冒頭にも述べましたがタバコは血管を収縮させ、血流を低下させてしまいます。
この悪影響がなぜダイエットに関係するのか?
それは血液の役割にあります。
ご存知の通り、血管の中を血液が流れています。
電車で例えると、血管が線路、血液が電車とイメージするとわかりやすいと思います。
キレイで何の問題もなく整備されている線路があって、電車が安全に乗客を運べるようにキレイで何の問題もない健康な血管があって、血液が体中に栄養を運んでくれています。
「血液が栄養を運ぶ」という所がポイントです。
線路と電車を急速に老朽化させるように、タバコによって傷つけられた血管、質が低下した血液では栄養の運搬は上手くいくはずもありません。
健全なダイエットには健全な食事が絶対必須です。
しかし、どんなに良い食事をしていても、それを受容する身体が健康でなければダイエット以前の問題となる訳です。
最も重要なのは身体のシステムが正常であること、そのシステムになくてはならないものの一つとして血管と血液があります。
よって、食事がすごく健康的だとしても血管や血液の質が良くなければ、栄養が思ったように身体に行き届きません。
栄養が行き届かない臓器は上手く働きません。
ということは食べたものを上手く処理できないので、どんどん脂肪として身体に蓄積してしまうという負のスパイラルに陥ります。
このようにタバコがダイエットに良くないのは、この2つが大きな要因となっています。
タバコが太る理由
タバコとアルコールの関係性
タバコには必ずニコチンというものが含まれており、ニコチンによって
- 脈拍数
- 血圧の上昇
- 一時的に脳血流が促進され、その後急激に血管が収縮
ということが起こります。
つまり、タバコを吸った瞬間は一時的な脳血流促進によって「全身に血液が回りやすくなる」という現象が起こります。( こういったことから、お酒を飲む時に煙草を吸うと、酔いが回りやすくなります。)
これにより、喫煙すると代謝が促されて普段の生活の何気ない動きで消費カロリーが高まるからダイエットになるという考え方にもなります。
禁煙すると太るというのは、そういったニコチンで得られるダイエット効果がなくなり、さらに禁煙によって、食事の量も増え、体重の増加にも繋がるというわけです。
では、ダイエットをしたい場合は、「タバコを吸った方がいいんだな?」となりそうですが・・・
実際はそうではなく、喫煙者にもやせ型の人もいれば、肥満型の人もいるわけで、運動することで代謝をあげて体重を減らすという健康的なダイエットの場合・・・
喫煙によるニコチン摂取での代謝アップは、運動による代謝アップほどの効果は期待できないと考えています。
ダイエット効果を狙った喫煙は、ニコチンの作用に依存することになりますが、逆に体重を増やす要素も持ち合わせていることを知っておいていただければと思います。
ダイエットを阻害する喫煙の理由
呼吸が浅くなる
ニコチンの作用を期待すると、つい喫煙はダイエットに効果があるように思えてしまうのですが、喫煙者の多くは、呼吸が浅くなるケースが多く、血中の酸素の量が低下気味になっています。
味覚の衰えによる過食
また、タバコを吸うことで味覚の衰えが生じ、甘いものや油っこい食事は味覚の衰えが顕著にみえます。
甘いものや油っこいものは、満腹中枢が刺激され、満腹感が出てきますが、味覚の衰えによって、甘さや油っこさを感じにくくなることで、過食に走るケースも珍しくないので、カロリーオーバーや甘い物などを食べることにより、ダイエットどころか逆に太ってしまうという結果を招くことになります。
この継続的な過食の状態が、脂肪を分解する働きを持っている肝臓へ負荷をかけ、本来の機能を低下させることにも繋がります。
ですから、脂肪を分解する能力が下がってしまい、痩せるなどのダイエット効果は期待出来なくなるというわけです。
そして、肝臓はかなりの基礎代謝機関も担っているので、その基礎代謝も分解・解毒作用のために働きが低下してしまうので、代謝もさがってしまう上に、身体の機能そのものも低下させることになってしまいます。
喫煙者に必要な栄養素
実際問題として、上記のように喫煙によるダイエットへの弊害はありますが、痩せたい方のなかには喫煙者もおられますので、そのような方のために喫煙の弊害を緩和する栄養素をご紹介いたします。
まずは、喫煙をする事でどのような栄養素が非喫煙者よりも重要になってくるのか。
また、その栄養素は身体にどのような効果があり、ダイエットに影響があるのか説明します。
喫煙者の方に摂取いただきたい栄養素
一般的に、喫煙による体の酸化を防ぐ栄養素として。
- β-カロテン
- ビタミンC
- ビタミンE
これらの栄養素が喫煙者にとっては特に必要なものといわれています。
栄養素の特性としては、β‐カロテンとビタミンEはともに脂溶性で油を使用した炒めものや、ドレッシングで和えるとカラダへの吸収がUPし、ビタミンCは水溶性で水に溶けだしてしまうので、水分と一緒に食すことが可能な、汁ごと摂取できるスープにすることがポイントです。
生で食べることが可能なものであれば、生でそのまま摂取が一押しです。
βカロテン(ダイエットやアンチエイジングにも効果的)
βカロテンは、吸収してからビタミンAへと変換される物質で、肝臓に貯蔵されるか尿と一緒に排泄されるかとなります。
βカロテンは血液に乗って、身体の隅々まで行き渡り、主に皮膚や目などの粘膜を健康的に保つ役割があり、ビタミンAには抗酸化力を持つ為、免疫力や抵抗力などのUPが期待できるのでダイエットで、無理な食生活の改善を行っていると、様々な栄養素が足りなくなってきます。
そういった時にも活躍してくれる栄養素です。
緑黄色野菜に豊富に含まれます。
一押し食材は、
- ブロッコリー
- 小松菜
- 春菊
などの濃い緑の野菜です。
ビタミンE(痩せる為の嬉しい効果もある)
ビタミンEは、血行を良くして代謝を上げる働きがあり、ホルモン分泌を助けます。
また、脂肪の酸化を防ぐ役目がある為、運動をして脂肪燃焼をしていく際に重要な役割を担っており、痩せる効果の高い栄養素だといえます。
一押し食材は、
- アーモンド
- ナッツ類
に多く含まれています。
ビタミンC(喫煙者は慢性的なビタミンC不足)
喫煙者は一度は耳にしたことがあるとは思いますが、喫煙者にとってビタミンCは絶対に必要な栄養素だといえます。
タバコを1本吸うごとに、ビタミンCが約25~100mg失われてしまうとされます。
人間の身体の殆どは結合組織で構成されています。
その結合組織を構成する時に大事なのが、ビタミンCです。
もちろん、βカロテン、ビタミンEもとても重要な栄養素に違いありませんが、その中でも特に喫煙者が取るべき栄養素はビタミンCです。
1日に必要なビタミンCの推奨摂取量は1日100mg(2015年版食事摂取基準)とされていて、1日1箱吸う方だと、1箱=20本入りなので、20(本)×100(mg消費最大)=2000mgが破壊される事になります。
βカロテンやビタミンなどの栄養素については、トレーナーであり管理栄養士でもある岩崎が詳しく書いた記事がありますので、ぜひそちらもご覧ください。
>>オススメのビタミンを管理栄養士の視点で3つ選びました!<<
喫煙者にとって難しいビタミンCの摂取
普段、私たちが口にしている、食材の中にももちろんビタミンCは含まれていますが、正直なところ、大した量ではなく、ビタミンCは熱に弱いともいわれている為、火を使った料理になると、ほとんどが失われてしまいます。
そうなってくると、普段からの食事を生で食べることが重要になってきます。
ですが、生野菜ではそんなに量を摂取することができません。
私たちの身近にある野菜で例えると、
- レモン(全果)100mg(100gあたり)
- ピーマン76mg(100gあたり)
- ブロッコリー54mg(100gあたり)
といった感じです。
こういった普段身近にある食材で、ビタミンCを取るのがいかに難しいかをわかっていただけると思います。
どれも、単体で食べようと思うと、2kg近く取る必要がありますから、とてもじゃないですが食事では取りきれません。
喫煙者に至っては、大量のビタミンCを摂取して初めて非喫煙者と同じ摂取量になるわけです。
ビタミンCは、筋肉や骨などの原料となるものですし、脂肪燃焼効果も高い栄養素になっていて、ダイエット時には大きな味方となるものです。
喫煙をすると、その味方を大きく破壊してしまうので、ダイエット効果は少なくなってしまうといえます。
オススメのビタミンCの摂取方法
上記であげたように、ビタミンCを大量に摂取することはなかなか難しい状況にあります。
そんな時に役立つのがサプリメントです。
サプリメントは、石油由来のモノが多いとか、カプセルや錠剤モノは添加物が多いとか、色んな問題が取り出さされています。
正直なところ、なかなかこれだというビタミンCサプリはないのですが、ワカサプリのビタミンCは、質や値段共にお勧めのビタミンCサプリです。
ビタミンC摂取に困られている方は、ぜひ一度お試しください。
ダイエットは喫煙の敵か味方か⁈加熱式タバコ・電子タバコはどうなのか⁈
ここまで読み続けていただいた方で、「ダイエットをしたい!」という方は、確実に喫煙しない方が良いということはわかって頂けたのではないでしょうか。
では今流行りの煙が少ない、臭いが少ないが売りになっている、加熱式タバコ( IQOS、gol、ploom tech等 )、電子タバコ(VAPE)はどうなのか考えてみましょう。
加熱式タバコとダイエットの関係
加熱式タバコとは電子機器を使ってタバコの葉を加熱して蒸気を吸う仕組みで、通常のタバコに比べれば、煙やにおいは軽減されます。
少なからずタールやニコチンは含まれているので大きくタバコと変わるということではないと思います。
現在、加熱式タバコは色々な種類がでていますが、その中でもフィリップ モリス インターナショナル( PMI )が販売するIQOSが1番多いそうです。
そのアイコスは「 有害物質9割減 」というのを宣伝しています。果たして、これは真実でしょうか?
PMI(フィリップ モリス インターナショナル)によると、そうでない?という検証結果がでています。しかし、IQOSやJTがだしている研究結果は、自社の研究機関で調べたものになっていて、第三者機関による研究はほとんどされていないのが実情のようです。
第三者による研究では、スイスの研究チームのモノがありますが、上記の結果とはかけはなれていた研究結果となっているようです。
独自の研究結果で、平均9割をカットとされていると、表記されていますが、あくまで平均で実際のところはどの部分がどれ程カットされているかは定かではありません。
また、加熱式タバコ使用者は、ニコチンが0という認識の方が多いですが、実は全く入っていない訳ではなく、電子煙草は普通の煙草とは違い、吸引する方法や形状が様々で定められた規定がない事、また、表記の義務が無いことから表記がされてないだけです。
また、あくまでも有害物質を9割減とうたっているところからみても、少なくとも1割の有害物質は含まれていると考えた方がいいでしょう。
結論、加熱式タバコは煙とにおいがやや軽減されたタバコみたいなものなので、やはりダイエットするには避けたいものです。
電子タバコ(VAPE)とダイエットの関係
電子タバコは加熱式タバコと違い、フレーバーリキッドに熱を与えることで発生する蒸気の香りを楽しむものでタールとニコチンが入っていないのが特徴です。
ただし、海外製のものにはタールやニコチンなどの有害物質が含まれていることもあるので、健康面、安全性を考えるとニコチンを含む製品の流通が禁止されている日本製のものを選ぶことをおすすめします。
VAPEは現在、豊富なフレーバーリキッドが販売されていて、その数は数百種類もあり、香りも様々なので、今までタバコを吸っていなかった人が癒しとして吸い始めるということも多くなっているみたいです。
フレーバーの中には甘みを感じるようなものもあるので、甘い匂いと口寂しさを紛らわせることができることから、間食でお菓子を食べる代わりとして使用している人も多いようです。
この観点だけで見ると、単純に甘いものを控えることに繋がるのでダイエットとしては使えそうですね。
しかし、タールやニコチンが入っていないとは言えその他の有害物質については不安な面もありそうなので強くおすすめはできないですがタバコや加熱式タバコよりは良いのではないかと思います。
まとめ
上記の事から、現在もしくは今からダイエットをして体重を落としていこう、筋肉をつけていこうと考えられている方は、基礎代謝をあげる為にも、脂肪燃焼を促進する為にも、健康の為にも禁煙することをおすすめします。
禁煙は容易ではないですが、タバコは甘いものよりも依存度は低いという事実がありますのでダイエットを機にぜひ禁煙にもトライしてみてください。
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