トレーニングノート

ランニングによって足首を痛める人のタイプ別改善方法

ランニングはスポーツの中でも規則的な動きで長い距離、長い時間走るため足首に負担のかかるスポーツと言えます。

例えば、サッカーは横に動いたり、ボールを蹴ったりなど不規則な動きですがランニングは規則的に同じ動きを繰り返します。

同じ動きの繰り返しのため、同じ場所に負担がかかりやすく、その負担は時として大きな怪我や痛みなる可能性もあります。

今回は、ランニングにおける痛みについて、またその改善方法などをお伝えしていきたいと思います。

足首の構造を知る

足首は他の関節と比べて骨が密集している関節です。

その数、両足合わせて52個でカラダ全体の約1/4を占めます。

距骨 踵骨 立方骨 舟状骨 楔状骨

しかも小さな骨が密集している為、足の使い方が良くないと少しの環境の変化で骨の配列が崩れやすくなります。

ただ、細かく骨が多く存在することでその一つ一つが衝撃の緩和や可動性などの役割を担っているのです。

足首周りのアライメントが崩れてしまうと足首の痛みに繋がるだけでなく、人体のバランスの悪化につながってしまいます。

足首は構造的に靭帯が多く存在している関節でもあります。

ランニングに限らず、捻ったあとや強く着地した際の突発的な痛みの原因の多くは靭帯の損傷です。

靭帯の安定は足首の安定に繋がるので捻った足をそのまま放置したりすると今後の競技生活や日常生活までにも影響が出てしまうのでケガした後のケアは非常に重要です。

ランニングによって足首が痛くなる原因

上記の靭帯損傷などの突発的な怪我以外では、慢性的な痛みが多くなります。

スピードや体重、身長などによって負荷のかかり方は変わってきますが、走り方による足首の動きの変化と接地面などを考えていきましょう。

足の裏の地面の着き方が外側、内側、つま先、踵によって大きく変化するので自分がどういう着地をしているかチェックしてみてください。

写真の赤丸が親指付け根の「母趾球」で青丸が小指の付け根の「小趾球」といわれる部位です。

母趾球 小趾球 踵

足首の前方・内側に痛みを感じる人は・・・

外荷重つま先走りタイプ

外荷重つま先走りでは足首が内側に捻ってしまう可能性があり主に足首の前方やや内側や膝の外側に痛みが出やすくなります。

体重が外側に乗ってしまうことで本来ぶつかるはずの無い内側の骨同士がぶつかってしまうのが原因です。

見極め方は、小指側にマメが出来てしまうのが特徴なので、そういった方は意識的に立方骨から着地するイメージを持ってみてください

ふくらはぎ 足裏 立方骨

また、つま先荷重では身体にストップ動作がかかるので膝や太もも前側の筋肉に大きな負担がかかってしまいます。(ランニング中に膝が痛む人のための痛みの原因と改善方法参照ください)

外荷重つま先走り改善方法

すねの外側の筋肉が弱くなってしまっているのですねの外側の筋肉を鍛えていきます。

腓骨筋という筋肉がターゲットです。

足首 長腓骨筋足首 短腓骨筋

以下の動画を参考にエクササイズを行ってみてください。

内側荷重つま先走りタイプ

内側荷重つま先走りでは土踏まずの疲労感や痛み、膝の内側に痛みが出る可能性が高いです。

本来、足首はやや外側に荷重しやすいのですが、それが内側に来ているということは足部の親指を酷使してしまうということです。

親指を曲げ続けたりおもいっきり曲げると土踏まずの部分がつったりすることがありませんか?

動きとしては曲がっていませんが地面に対して曲がる力が働くので土踏まずに影響が出てしまうのです。

また、親指に力が入ると膝は内側に向きます。

膝は靭帯で構成されているので本来は伸びにくい線維です。

つまり伸びにくい線維が伸びてしまうことで痛みにつながるということです。

内側荷重つま先走り改善方法

親指に力が入っている人はふくらはぎの外側ばかりに負担が掛かっている可能性が高いので、ふくらはぎ内側を鍛えていきます。

これをくり返し行うことでふくらはぎに正しい刺激が入りやすくなるので、正しい筋肉の使い方を身体が認識します。

 

IMG_6901-2-1024x742.jpeg

その影響で、足の裏の内側の張り、膝の内側の痛みなどが出る可能性もあります。

内側荷重かかと走りタイプ

内側荷重踵走りでは、踵の負担が大きくなり踵に痛みが出やすくなります。

踵は踵でも前側やや外側を距骨、立方骨を意識して着地すると良いでしょう。

踵骨 距骨 立方骨

内側荷重踵走り改善方法

普段踵の内側を使いがちなので、つま先側着地なのに重心を距骨、立方骨に感じる感覚を養う必要があります。

それに最適なのがポコジャンプです。

以下の動画を参考にトライしてみてください。

正しい走り方ポイントは 『足首の角度』

ランニングの際に足首を痛める原因は重心の係とお伝えしてきましたが、もう一つお伝えしたいことが足の接地面によって力のベクトルは変わってくるという点です。

重要なことはどこで着地をするのではなく、どこで体重を受けて感じるかです。

大切なのは接地面ではなく、どの方向に接地の力を向けるかです。

これを意識できれば、力がうまく地面に伝わり足首を痛めることなく快適がランニングができるようになります。

ここで重要なのが『足首の角度』です。

正面から見た時と横から見た時の地面に接地する瞬間の足首の角度がポイントです。

正面から見た時の足首の角度

【NG】

足の重心が赤い線の小指側に乗り、スネも青い線の角度に倒れているとNGです。

【OK】

足の重心は赤い線の人差し指、親指辺りに乗ります。

そのライン上にスネも真っ直ぐに乗っているとOKです。

後面から見た時の足首の角度

【NG】

踵が赤い線の角度に倒れます。

靴の踵の外側が減りやすい人は傾いている可能性が高いです。

踵が倒れることでスネも青い線の角度に倒れてしまいます。

【OK】

足の重心は赤い線で踵の中心ラインにあり、その上にスネが真っ直ぐ乗っているとOKです。

横から見た時の足首の角度

【NG】

足裏が接地した瞬間につま先と踵がそれぞれ青い矢印、黒い矢印方向に力が加わるとスネは真っ直ぐ立つことになります。

こうなるとブレーキがかかり、踵、足首、太ももの前側に負担が掛かる走り方になります。

【OK】

足裏が接地した瞬間は重心は足首にあり、つま先は青い矢印の方向に着地、踵は後ろに残す感覚でスネはやや傾斜するとどこにも負担なく推進力が生まれます。

この時厳密には踵も着地するのですがイメージは少し浮くぐらいの感覚を持つことがポイントです。

まとめ

最後に、ランニング中に太もも前側が疲れてしまう人は接地の瞬間の足首の角度を意識してみてください。

ランニングは前に進むスポーツで推進力が重要なスポーツです。

つまり、走っていて前側が疲れてしまう人は着地の際のつま先、踵のベクトル、スネの角度にエラーが出ています。

なので、走り終わってから太もも裏側が疲れていたりお尻が疲労している状態はGOODです。

少なくとも、太もも前側をメインに使っているということは無いはずです。

練習の段階から接地時の足首の角度、力のベクトルを意識して走ることがとても重要です。

ぜひ、日頃から意識してランニングを楽しんでください!

 

自分史上最高の身体へ