身体の使い方にフォーカス!中学生向けの健康的なスポーツ整体トレーニング
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中学生になると真剣に部活を始める子どもたちが増えて来ると思います。
何か1つのスポーツに打ち込むことは非常にいいことではありますが、その反面注意しなければならないことも出てきます。
今回は、中学生になり部活を始めたが、
- 身体がよく故障する
- どこかに痛みを抱えている
- 思ったようにパフォーマンスが上がらず悩んでいる
などの問題を抱えた中学生と、その親御さんに向けた体の使い方についてご説明していきたいと思います。
中学生で抱える悩み
中学生で運動をする上で多い悩みは以下のようなものがあげられます。
- 身体が硬い
- どこかに痛みを抱えている
- 運動能力の差を感じ始めた
このような悩みは「誤った運動パターン」「偏った運動パターン」で生まれます。
これらを改善するには「運動感覚の再構築」「運動パターンのバリエーションを増やすこと」が必要です。
今回はこの3つの悩みに絞ってお伝えしていきます。
中学生で身体が硬い
身体が硬いという問題は中学生の頃からよく出始めます。
やはり、身体が大人に変わっていく第一段階として筋肉が発達しようとしているためであり、小学生の頃のような身体の柔らかさのまま成長するには、それなりの意識と鍛錬が必要となります。
しばしば、身体の硬さや柔らかさを「柔軟性」と表現しますが、実は柔軟性があるからパフォーマンスが上がるという訳でもありません。
柔軟性が高くなったところで体自体が正しく使えなければ、パフォーマンス向上に直結しません。
つまり、「使える柔らかさ」が欲しい訳です。
使える柔らかさとは
「使える柔らかさ」これを『能動的可動域』と呼んでいます。
能動的可動域を獲得するためには筋力が必要です。
ストレッチは「伸ばされる」感覚ではなく『伸ばす』感覚が肝になります。
伸びる筋肉の逆側(裏側)が縮まなければ筋肉は伸びません。
身体が硬い人の多くは、伸ばすことだけを意識しがちです。
縮んだ筋肉の逆側(裏側)が伸びるという感覚が無ければ「能動的可動域」は得られません。
それに加え、「ベクトル」を理解し、意識しなければ、いつまで経っても『使える柔軟性』は得られません。
ベクトルとは言葉の通り「力の方向」です。
例えば、立位での前屈だと、地面に手をつけることばかりに気を取られ、腰だけにテンションが掛かったり、太ももの裏だけが突っ張ったりと部分的な伸びを感じてしまいます。
この場合、力のベクトルが倒れる方向だけに向かっています。
力の方向と関係性を意識することで伸び方と感覚は必ず変わります。
仙骨より下から(下半身)は地面方向へ、仙骨より上(上半身)も地面方向へ力のベクトルを反対方向へ向かう意識で行うと伸び方が変わります。
ストレッチはコツです。
痛いという我慢から解放されるコツは「力の方向」つまり「ベクトル」です。
これを意識しない限り柔軟性は上がりません。
どこかに痛みを抱えている
身体に痛みを抱える原因は、突き詰めると1つです。
“理にかなっていない身体の使い方を毎日のように反復している“
これに尽きます。
まず、チェックすべきは
- どこに痛みを抱えているか?
- どういう時に、どのような動作で痛むのか?
- 日常的に多い動作は何か?
最低この3つは明確にする必要があります。
多くの人が勘違いしているのですが、痛みがある部分が悪いと思い込んでいます。
そこに原因があることはほとんどなく、他の部分の動きが良くないために、痛い部分が代償動作を繰り返してしまいます。
その影響で痛みが出ているので、根本原因は痛い部分にないことがほとんどです。
よって、どういう時に、どのような動作で痛むのかで、痛みの原因となる場所を突き止めることが優先です。
そして、痛みが出るほど繰り返している悪しき習慣的動作の改善をするための身体の使い方、動かし方を理解し、日常動作で意識して実践を繰り返し「偏っていた運動パターン」を「正しい運動パターン」へと上書きしていくことで痛みの出ない身体に変えていきます。
運動能力の差を感じ始めた
中学生ともなると、運動能力が非常に高い人、できれば運動はしたくない人など極端に分かれ始めます。
これを一括りに「運動神経」の問題としてしまっていませんか?
運動神経は皆、備わっています。
その神経を活性化するような運動や動きをしていないために差が出ているだけで、運動『能力』の差は「環境」に依存すると私は考えます。
運動をしてこなかった環境を歩んできた人が比較的運動が苦手になり、毎日外でなにかしら遊び、運動していた人が運動が得意になっているだけです。
運動能力の差を感じ始めた最大の理由はスゴいと思う人の動きを真っ先に「自分にはできない、無理そう、苦手だ」という印象や感覚を無意識的に持ってしまっていることです。
まず、この状態に気づき認めることです。
時間は掛かれど、直向きに取り組めばいずれ不可能と思えたこともできるようになります。
その成長速度は、自分次第であり、必ず成し遂げる、いつまでに成し遂げると決めて取り組めばその通りに到達します。
他の人にできて、自分にできていない原因に気づき、できるための身体の感覚、意識、操作の仕方を学び、理解すれば、そんな簡単なことだったのかと頭で思えるようになります。
あとは、その頭で理解した理論的な方法を身体というツールを使ってイメージ通りに動かすことを鍛錬していくだけです。
その考え方、方法を知っている人から学ぶことが最も早い手段です。
子どもの身体が気になる親御さんへ
親御さんが子供の健康と成長を願うのは常です。
- 怪我なく健康であること
- イキイキと楽しく運動できること
- 打ち込んでいるスポーツで結果が残せること
など自分のこと以上に子どものことは気がかりになります。
クラムジー(Clumsy)という言葉をご存知でしょうか?
「不器用、ぎこちない」という意味の英語です。
不器用でぎこちない動作は理にかなっておらず、その状態で運動すると運動は嫌いになっていき、無理に運動して怪我をすることに繋がります。
そんな状態で楽しくイキイキ運動できるはずもなく、スポーツで結果を出そうなんてことは必然的に難しくなります。
まず、親御さんが考えるべきことは、なぜ子どもが不器用でぎこちないのか?ということで、「うちの子は運動神経が悪いのよ」で片付けないことです。
俗に言う「運動神経が悪い子ども」はいません。
運動の仕方を学べば解決します。
運動神経が悪いと思っている子どもは、ひらがなもカタカナも読めない子どもに、本を読ませているようなものです。読めるはずもありません。
まずは、運動の原理原則があると言うことを知ってください。
中学生の歪みについて
最近の子どもたちは、遊べる公園の減少、ゲームの普及などにより外遊びの経験が著しく少なくなっている傾向にあると思います。
本来、幼少期に外遊びで自ずと身につくはずの身体の使い方や危機察知能力、危機回避能力など必要な能力を遊びの中で学んでいくはずですが、その経験が不十分なため、身体の使い方に少なからずとも影響していると言えます。
遊びや身体を動かす中で『姿勢力』が自然と確立されていきます。
本来、動きの中でブレないように安定するように身体が反応していくはずですが、動く量が少ないと姿勢を保持する筋肉もそれほど働く必要がなくなってきます。
人間は大前提に「動くためにデザインされています」動くことが少ないと、身体は退化を辿る一方です。
そのために、ゲームや勉強の割合が高いと身体は弱って当然です。
しかも、ゲームや勉強は首を前に倒し視線を落とす姿勢がほとんどです。
そうなると、首を凝り、肩も凝り、背中が張って、腰は痛くなる。
そして、痛いからますます動かなくなる、痛くないように姿勢を悪い方へ変化させる。
という悪循環に陥り、身体は歪んでいきます。
見直すべきは『姿勢』です。
特に中学生くらいからは、集中力も身につくので一つの行動を長く行えるようにもなってきます。
だからこそ自然体で正しい姿勢をとれるということも中学生くらいになると重要になってきます。
身体の前面と背面をしっかりと働かせる感覚を無意識的に使えるレベルまでに日常生活で定着させるということが中学生時代には必要です。
中学生の身体能力に必要なもの
中学生で正しくできておいた方が良い身体操作はあげ出せばキリがないのですが、今回はあえて4つに絞ってみました。
と言うのも、以下の4つはできてそうでできていないという身体操作と言えるからです。
- しゃがむ
- ぶら下がる
- 壁倒立
- 跳ねる
順に解説していきます。
しゃがむ
しゃがむ動作は中学生に関わらず、誰しもが日常的に行う動作だと思います。
日常的に行う動作だからこそ正しく行えていた方が良いですよね。
自身がしゃがんだ姿を客観的に見たことがある人は少ないと思います。
一度、写真を撮ってみてください。
以下のような姿になっている人が多いと思います。
踵は浮いて腰は丸まり、視線は落ちて頭が下がり、膝が内側に倒れ、スネが痛くなってくる人が多いと思います。
この状態では腹圧が抜けて余計な筋力を使わされることになり、長時間しゃがんでおくことは無理でしょう。
ポイントは骨盤角度と股関節角度とベクトルです。
仙骨を前側に押し込み、背骨を上に引っ張られて行く感覚を持つことです。
- 骨盤が丸まらないように立てる
- 股関節が内側に閉じないように開く
この2つがポイントです。
ぶら下がる
ぶら下がると言う能力は人類の進化の過程で猿以降に許された能力です。
この能力を放棄するのは人間として勿体無い限りです。
猿には敵いませんがどんな人でも3分ぐらいはぶら下がれるはずです。
30秒もぶら下がれない場合は身体の使い方に問題ありです。
以下のようにぶら下がっている場合は手、腕、肩が疲れてしまうパターンです。
ポイントは骨盤の意識と頭の位置です。
- 仙骨を丸めて腰椎を真っ直ぐにする
- 腕のラインが耳の後ろにくる
この2つがポイントです。
壁倒立
壁倒立はまさにぶら下がると天地が逆になっただけのポジションです。
手首、肩関節、肩甲骨が安定するポジションで支えたいのですが、このポジションを取れないと、腰が反り、腕で支えてしまい腕が疲れ長時間保持できません。
ポイントは腕が胴体と同じラインに入り肩関節、肩甲骨が安定するポジションで支えることです。
イメージしづらいと思いますが、ぶら下がっている感覚で壁倒立を行えると感覚は変わります。
よって、ぶら下がりとポイントは変わりません。
- 仙骨を丸めて腰椎を真っ直ぐにする
- 腕のラインが耳の後ろにくる
跳ねる
まず、理解しておきたいのが「飛ぶ」と「跳ねる」は異なるということ。
イメージ的に説明すると飛ぶは力のベクトルが上で、跳ねるは力のベクトルが下ということです。
飛ぶベクトル
跳ねるベクトル
飛ぶ意識ではふくらはぎを使ってしまいやすく、跳ねる意識ではアキレス腱を使えるという大きな違いが生まれます。
ジャンプ力が無いと感じている人は飛ばずに跳ねる意識を持つことで身体の軽さが変わります。
以下の動画参考に実践してみてください。
中学生の身体づくり
中学生の身体づくりにおけるベースを上げるのであれば、まずは「走力」にこだわります。
先ほど、「跳ねる」が大切と話しましたが走りはまさに、跳ねるの連続で成り立っています。
走力の基礎は跳ねる力を利用して膝が高く上がるという感覚を養うことです。
その際に、もう1つのポイントが「大腰筋(だいようきん)」です。
このようにみぞおち辺りから太ももに繋がっている筋肉です。
走る時にこの筋肉が使えていないと速く走ることは不可能です。
要は、太ももを上げる時にみぞおちから脚を上げる感覚を持てば良いだけの話です。
そして、走る時は脚が交互に上がるので、着地する足が跳ねて、そのタイミングで逆脚がみぞおちから脚が上がる感覚を持てばOKです。
「走力」を上げることは全てのパフォーマンスに直結します。
まずは、そこにこだわって欲しいと思います。
中学生の身体づくりに必要なのは難しいことではなく、基礎となる土台づくりです。
当たり前のことを当たり前にできることが大切です。
まずは、しゃがむ、ぶら下がる、壁倒立、跳ねるということを実践してみてください。
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定資格 NESTA-PFT 取得
美尻トレーナーとしてMBS系列「痛快!明石家電視台」「メッセンジャーの○○は大丈夫なのか?」に出演