トレーニングノート

いい姿勢に必須な「見た目」と「動きやすさ」のバランスの作り方

美容的いい姿勢

早速ですが下記の2枚の写真、どちらが良い姿勢だと思いますか?

美容的いい姿勢

動きやすいいい姿勢

 

正解はどちらも良い姿勢です。

ポイントは何を持って、良い姿勢と判断するかです。

見た目から言えば①の方が真っすぐでキレイに見えると思います。

モデルさんや芸能人など見た目が大切な場合はこの姿勢が良いと言えます。

ただ、動きやすさで言うと②になります。

野球の守備の構え、テニスのサーブを受ける構え、サッカー選手がボールを持っていない時の立ち姿勢などアスリートの何げない瞬間を意識して見てみると①のような真っすぐな雰囲気は感じ取れないと思います。

では、どちらの姿勢を目指せばいいの?ということになります。

答えはどちらもできるようにする!です。

この双方の「良い姿勢」は形をマネするだけではダメで、いくつかのポイントがあります。

形(フォーム)は意識から生まれるものであり、ポイントをおさえていった結果その形になります。

そうなると力みがなくなり、不自然さは無くなって、自然とキレイな姿勢動きやすい姿勢が作られます。

その意識の仕方やポイントをこれからご紹介していきます。

良い姿勢とは

冒頭にも説明しましたが「何を持って良い姿勢なのか?」という見方がポイントになります。

①の写真を「見た目に良い姿勢

②の写真を「動きやすい良い姿勢

とします。

どちらかが良いという訳ではなく、「どっちもできた方が良い、もっと言えば、どっちもできないといけない」と考えます。

大切なのは「バランス」です。

何かに偏る、どこかに偏ることで、使う筋肉にも偏りが出たり、運動パターンも偏ります。

人は常に動いているものです。

同じ場所にずっと座ったまま、長い時間同じ場所で立ちっぱなしということが不自然であり、どんなに良い姿勢をできていたとしてもそれは疲れます。

動きを止めてしまうことが猫背や腰痛、肩こり、疲れに繋がります。

日頃から意図的に「見た目に良い姿勢」と「動きやすい良い姿勢」を使い分けることで、姿勢改善、腰痛・肩こり予防、疲れにくいカラダ、動きやすいカラダに繋がっていきます。

まずは、

  • 「見た目に良い姿勢」と「動きやすい良い姿勢」の見た目の形を作れるようにするのではなく、感覚的に作れるように日々意識すること
  • 「見た目に良い姿勢」と「動きやすい良い姿勢」を使い分けられること

が必要です。

良くない姿勢とは

逆に良くない姿勢と言うものを理解しておくことも大切です。

猫背 立ち姿勢

立ち姿勢 反り腰

①と②どちらが良くない姿勢だと思いますか?

正解はどちらも良くない姿勢です。

①は、ほとんどの人が良くないと思ったはずですが②は「良いんじゃないの?」と思いませんでしたか?

①は猫背で、②は反り腰です。

猫背は、現代のライフスタイルを考えると非常に多くの人が、この姿勢になっています。

パソコンによるデスクワーク、長時間のスマホ使用など、猫背になりやすい環境にあるので意識をしていないと姿勢は簡単に崩れてしまいます。

厄介なのは、この猫背は無意識ということです。

無意識ということは自分自身がどういう姿勢になっているのか、頭でもカラダでも理解できていないということです。

良くない姿勢も「自分の意識」で作れるようにしておくと、「今、良くない姿勢になっている」ということに気づくことができます。

そのためには、

  • 骨盤
  • 背骨
  • 股関節
  • 肩甲骨

などが使える必要があります。

逆に、反り腰は良い姿勢にしようとする意識はあるけれども、その方法が間違ってしまっているという場合が多いと思います。

本来の「見た目に良い姿勢」は背骨の中でも胸椎(きょうつい)という部分を反らせないといけないのですが、反り腰の場合、この反りを腰椎(ようつい)で行ってしまうケースがほとんどです。

胸椎 腰椎 場所

カラダの各関節はジョイントバイジョイントアプローチという理論によって、安定性、可動性の役割が分かれています。

ジョイントバイジョイントアプローチ

この理論によって、

腰椎=安定性

胸椎=可動性の役割

がメインになっているので、腰椎は安定させて胸椎を反らすのがカラダの機能としては正解です。

反り腰の場合は、まずは使い方を知っているか、そして、正しく使えるかということが重要になります。

日常生活での良い姿勢と良くない姿勢

日常生活では様々な場面があり、姿勢も場面によって変わってきます。

その場面に応じた、良い姿勢と良くない姿勢の比較をしてどこが違うのか。「意識」と「使い方」を説明していきます。

立ち方

まずは、一番の基本となる立ち方からです。

ただ、立つだけなのですが非常に難しく奥深い姿勢です。

立ち方で雰囲気や年齢までもが違って見えてきます。

最も見た目が出てしまう姿勢と言えます。

立ち方が悪いだけで、カラダの調子が悪くなったり、どこか痛くなったりすることも十分にあります。

まずは、良くない立ち方を見ていきましょう。

痛みや疲れが出やすい良くない立ち方

【猫背】

猫背 立ち姿勢

【反り腰】

立ち姿勢 反り腰

この2つが代表的な良くない姿勢です。

猫背は簡単に言うと頭の重さが重力に負けて背骨が丸まり、その影響で骨盤までもが丸まってしまう姿勢です。

  • 肩こり
  • 腰痛
  • 背中の張り

などの症状が出やすくなります。

反り腰は腰椎(ようつい)で背骨を反らしてしまう姿勢になるので、腰痛はもちろん、腰を反ることでお腹が前に押し出される形になるのでお腹が出やすい姿勢になってしまいます。

見た目が良い立ち方

正しい姿勢 一次姿勢 

ご覧の通り、頭から踵が一直線と言うのが見た目にはキレイです。

もっと、詳しく言うと耳の穴(耳介:じかい)、肩(肩峰:けんぽう)、太もも(大転子:だいてんし)、内くるぶし(内果:ないか)を結んだラインが一直線上にあるというのが理想です。

【この姿勢を作るポイント】

  • 足裏の重心を距骨の真下、カラダの重心を内果と内果を結んだライン上の中心に感じる。

重心 距骨真下 内果と内果を結んだライン

  • 骨盤をニュートラルポジション(骨盤のASISという場所と恥骨を結んだラインが床と垂直の位置)に保つ

骨盤ニュートラルポジション 恥骨 ASIS

  • 腰椎を反らないように、胸椎を反らし胸骨柄と胸椎2・3番を同じ高さに保つ

胸骨柄 胸椎2・3番 同じライン

動きやすい立ち方

動きやすいいい姿勢

動きやすい立ち方」は、「見た目が良い立ち方」とは少し異なります。

「見た目が良い立ち方」よりはやや膝が前で重心が前にある印象を受けると思います。

一言でいうと、「骨で立つ」感覚です。

これは筋肉を使うという意識ではなく、可能な限り脱力をして立つ感覚です。

少し分かりにくいと思うので動画をご覧いただきイメージしてみてください。

【この姿勢を作るポイント】

  • 足裏の重心を距骨の真下、カラダの重心を内果と内果を結んだライン上の中心に感じる。

重心 距骨真下 内果と内果を結んだライン

  • この足裏の重心の延長線上に膝裏、背骨の前側が来るように意識する。

動きやすいいい姿勢

  • 胸をふくめる。(胸鎖関節をカラダの内側にたたみこんでいく感覚で背中が少し広がる感覚)

胸をふくめる 胸鎖関節

座り方(イス・地べた)

日常生活において、「立つ」姿勢に次いで座ることが多いと思います。

ご飯を食べる時、デスクワークなど人によっては座る時間の方が長いという人も多いと思います。

それだけ、多くの時間を座って過ごすのに、座り方を習ったことなんてないと思います。

正しい座り方を知り、正しく行えるようになるだけで、肩こり・腰痛などが軽減する場合もあります。

まずは、良くない座り方を見ていきましょう。

痛みや疲れが出やすい座り方

  • 良くないイスの座り方

猫背 座り姿勢

  • 良くない地べたの座り方

【正座】

正座 よくない座り方

【あぐら】

あぐら よくない座り方

どちらの座り方も共通して良くないのは骨盤が丸まる方向に倒れてしまっていることです。

こうなると必然的に背骨も骨連鎖によって丸まってしまい猫背になってしまいます。

電車や車の座席に座る時も一緒です。

地べたに座るのはイスよりも骨盤を立てにくいので、より意識しないと姿勢が崩れやすくなってしまいます。

見た目が良い座り方

  • 良いイスの座り方

イス いい座り方

  • 良い地べたの座り方

【正座】

正座 見た目に良い座り方

【あぐら】

あぐら 見た目に良い座り方

ご覧の通り、地べたに座る時は、「あぐら」か「正座」がおすすめです。

ただし、どちらも長時間になるとしびれてきたり、関節への負担が増えるので、こまめに座り方を変えることをおすすめします。

【いずれの姿勢も共通しているポイント】

腸骨 恥骨 坐骨 寛骨

  • 骨盤の坐骨という部分で座る。
  • 骨盤をニュートラルポジションに保ち背骨を真っすぐに伸ばし、坐骨、肩(肩峰:けんぽう)、頭(耳介:じかい=耳の穴)が同じライン上にくるようにする。
  • 腰椎を反らないように、胸椎を反らし胸骨柄と胸椎2・3番を同じ高さに保つ。

イス 見た目に良い座り方 指標

動きやすい座り方

  • 動きやすいイスの座り方

動きやすいイスの座り方

  • 動きやすい地べたの座り方

【正座】

動きやすい座り方 正座

【あぐら】

動きやすい座り方 あぐら

いずれの姿勢も「動きやすい立ち方」同様にやや姿勢が丸まっている印象を受けると思います。

これは力みがない結果であり、動きやすさで言うと、この「抜け感」が大切で、次の動作へ移行しやすくなります。

【この姿勢を作るポイント】

  • 骨盤の坐骨という部分で座る。
  • 腸骨が動かないように立てる、仙骨はやや後傾させる。

坐骨 仙骨後傾 腸骨立てる

  • 胸をふくめる。(胸鎖関節を中にたたみ、背中が少し広がる感覚)

胸をふくめる 胸鎖関節

歩き方

最も難しい日常動作が歩くことです。

多い人だと1日10000歩も歩くわけで、10000回も行う動作を間違っていたらカラダがおかしくなりそうなのは想像できますよね。

歩くという動作は非常に奥が深く、意外と難しい動作です。

歩き方で色々なカラダの不具合が出ている場合が多々あります。

歩き方を見直すことがカラダを整えること、ボディラインを整えるのに一番の近道かもしれません。

痛みや疲れが出やすい良くない歩き方

大きくわけると2パターンあります。

  • つま先外向きガニ股歩き

  • つま先内向き内股歩き

つま先外向きガニ股歩きは股関節が外旋(外側に回る)してさらに、大腿骨に対して膝から下が外側に捻じれるという脚の内側を全く使えていない歩き方になります。

逆に、つま先内向き内股歩きは股関節が内旋(内側に回る)して、大腿骨に対して膝から下は外側に捻じれている状態で太ももの外側や前側に負担がかかり脚が太くなりやすい歩き方になります。

見た目がキレイな歩き方

いわゆるモデルさんに近いような歩き方です。

背筋が伸びて、足を踏み出した時に頭、前足、後ろ足を結ぶと直角三角形になる歩き方です。

歩き姿 足と頭のライン

この歩き方のポイントは別記事にまとめていますのでこちらをご覧ください。

ふくらはぎが細くなる歩き方!

ウォーキングダイエットで太ももを細くする歩き方とは?

動きやすい歩き方

基本的には「動きやすい立ち方」を意識して、常に骨に乗っている感覚で脱力して歩きます。

【この歩き方のポイント】

  • 少し股関節を内旋させるイメージで、常に股関節の内側に重心がある感覚を持つ。

股関節 内側 内旋

  • 膝が常に抜けている感覚で膝は伸びない。

膝抜き感覚

  • 着地はべた足で小趾球、母趾球、踵の3点がほぼ同時に着く感覚(物理的には踵が先に着く)。

母趾球 小趾球 踵

  • 胸をふくめる。(胸鎖関節を中にたたみ、背中が少し広がる感覚)

胸をふくめる 胸鎖関節

スマホの見方

スマホを見る時間が1日2~3時間と言う人も少なくないと思います。

これも立ち方、座り方、歩き方同様に長い時間占めている動作が間違っているとカラダに大きな負担を与えることになります。

痛みや疲れが出やすい姿勢

“スマホっくび” という言葉があるぐらい肩こり、首の痛み、頭痛などを引き起こす現代病の1つです。

スマホっ首

この姿勢はまさにスマホを見る際に首だけが前に出て、頭の重みを肩と首で受けてしまう状態です。

スマホも長時間見る人が非常に多いと思います。

誤った姿勢でスマホを見ているとカラダへの負担は大きくなります。

正しいスマホの見方

方法は2つあります。

  • スマホ自体の位置を顔の前に上げる。

スマホ見方 顔の前

  • 胸を入れ込みスマホを見る。(胸鎖関節を中にたたみ、背中が少し広がる感覚)

スマホ見方 胸をふくめる

胸をふくめる 胸鎖関節

1つ目の方法は首が前に出ないようになるため肩や首への負担は減りますが、腕がしんどくなってくるという人も出てくると思います。(腕の使い方を覚えればそれはなくなります。今回は詳しくは触れません。)

2つ目の方法はスマホの位置を変えなくてもカラダの使い方を変えるだけで肩、首への負担は減ります。

眠り方

寝ているときに姿勢は意識できないでしょ⁈と思うかもしれません。

それはその通りなのですが眠りにつく前の段階では意識できますし、工夫はできます。

良くない寝方

唯一、良くない寝方と言えるのがうつ伏せです。

息ができなくなるので、首をどちらかに向けないといけないので首への負担が増す。

腰椎を反る姿勢になるので腰への負担が増す。

この2つの点からうつ伏せでの寝方はおすすめできません。

カラダへ負担をかけないで寝る工夫

寝る時に重要なのは枕です。

特に大切なのは『枕の高さ』です。

  • 上向きであろうと横向きであろうと、寝返りをしても対応できるように枕は長め。
  • 長い枕はなかなか手に入らないのでバスタオルを利用。
  • バスタオルを折りたたんで自分の高さに合わせる。

ポイントはこの3つです。

バスタオルのたたみ方を動画でご紹介しますので、ご自身に合うようにカスタマイズしてみてください。

胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)が最も緩む位置がベストな高さです。

胸鎖乳突筋

まとめ

姿勢と一言に言っても、絶対的に正しいという姿勢は一つではありません。

人間は動く生き物なので同じ姿勢を長時間連続して行うことが負担になります。

良くない姿勢を理解して、見た目にキレイな姿勢、次の動作に動き出しやすい姿勢、いずれもできるということが重要です。

日常生活の姿勢や動作がそのままカラダに反映されます。

日頃から自分がどう立っているのか、座っている時に姿勢が崩れていないか、歩き方は大丈夫かと、日常動作に目を向けることが大切です。

そこからまず始めて見てください。

その後に、この記事の内容を参考に姿勢の改善に役立てていただければ幸いです。