トレーニングノート

無意識で肩が上る人の「力み」を解放して肩を下ろす4つの方法

まず肩が無意識で上がっている人はどのような状態なのか?

一言で言うと「力んでる」ということです。

そして、自分が力んでいるということに気づいていない人がほとんどだということです。

また、肩が上がっていると様々な不調を引き起こします。

  • 肩こり
  • 呼吸が浅くなる
  • 自律神経が乱れる
  • 偏頭痛が起こりやすくなる
  • 視界がクリアではない etc…

そして、肩が上がってしまう人には腕の使い方に特徴があります。

その辺りをこれから掘り下げて行きたいと思います。

肩が上がってしまう人の原因

ズバリ結論から言うと

『肋骨(ろっこつ)が全く使えていない』

これに尽きます。

おそらく多くの方が「肋骨を使うって何⁈」と思うのではないでしょうか。

【肋骨前面】

肋骨 前面

【肋骨後面】

肋骨 後面

上記の画像の通り肋骨は胴体そのものと言っても過言ではありません。

肋骨を身体の上から断面的に見ると胸椎と胸骨を結び楕円を形成してます。

肋骨上から断面

背骨が身体の中心軸になることは何となく想像できると思います。

その中心軸にくっついてるのが肋骨です。

肋骨1つ1つと背骨1つ1つで成す関節を胸肋関節と言います。

胸肋関節

つまり、肋骨背骨相互関係にあるということです。

  • 肋骨が動かないと背骨は動かない。
  • 背骨が動かないと肋骨は動かない。

と言うわけです。

特に、肋骨が動くというイメージを持ってない人が多いため肋骨を使う意識を持ってほしいのです。

肋骨は間違いなく胴体の中核を担っています。

そして、腕は肩甲骨から始まり、肩甲骨は肋骨の上についています。

理にかなった腕の使い方としては肋骨と背骨が動き、肋骨上を肩甲骨がスライドし、そして腕が動くことです。

肋骨と背骨が動かないということは、肩甲骨はスライドせず、腕だけが単体で動くことになります。

こうなると腕だけが頑張る状況になるため、それが力みとなり、それが癖となり、その癖は強化され肩が上がるという状態が定着します。

つまり、胴体を使わず、腕だけを使う習慣が肩を上げる癖を作り出しているということです。

上がり肩の改善方法

では、これから上がり肩の改善方法をご紹介していきます。

まず、読み進める前に一度立っていただき、現状の

  • 肩の位置・感覚
  • 肩甲骨の位置・感覚
  • 背骨の感覚
  • 肩の軽さ

など身体のあらゆる感覚をチェックしてみてください。

そして、4つの改善動作を行ったあとにその感覚とどう違うが比較してみてください。

上がり肩の改善方法1『胸鎖関節が腕の始まり』

まず重要なことは、なぜ自分は肩が上がってしまうのかを知るということです。

そして、自覚することから改善は始まります。

病気も物の故障も原因がわからないと手の施しようがないのと同じです。

上述したように、肋骨と背骨が使えていないことを身をもって知ることから始めましょう。

そして、新たなワードになりますが肋骨と背骨が使えていないと鎖骨が使えてないことがほとんどです。

腕の始まりは、鎖骨の内側、胸鎖(きょうさ)関節です。

胸をふくめる 胸鎖関節

腕はここから始まるという意識が重要です。

そのイメージを持って下記動画の腕回しにトライしてみてください。

上がり肩の改善方法2『背骨の動きを感じる』

肩が上がる人の特徴の1つとして背骨が動かないことが挙げられます。

まずは、背骨を動かす感覚を持つことかは始めてみましょう。

いい姿勢のイメージは胸を開き背骨を伸ばすことと思ってる方が大半だと思います。

もちろん、その動きも重要です。

ただ、それと同じぐらい背骨を丸めるという動きも重要です。

上記画像の動き行ってみて自分の形を見てみてください。

あまりに丸まれていない人がほとんどではないでしょうか?

丸まれるから反れる、反れるから丸まれるのであって両方できることが大切です。

反る動作、正確には「伸び反る」動作は以下の動画を参考にトライしてみてください。

上がり肩の改善方法3『肋骨の立体的な動き』

冒頭で述べたように肩が上がらないようにするためには肋骨の動きが最重要です。

そもそも肋骨が動くなんて思ってなかった人が多いと思うのでまずは肋骨は動くものだと認識を改めることから始めましょう。

そして、肋骨を自由に動かすためのポイントは「側屈」です。

側屈により、普段動かすことがないであろう「腰方形筋」「腹斜筋」「前鋸筋」などが活性化します。

前鋸筋 腰方形筋

外腹斜筋

内腹斜筋

これらの筋肉は腕を上げる動作にかなり密接に関わり、これらが動かないことで腕は挙げづらくなり、その代償動作として腕を使う時に肩を上げるようになってしまいます。

まずは、側屈動作を練習し肋骨2Dで動かせるようにしましょう。

その後、3D動作「リザード」にトライしてみてください。

リザードは上手くできると肩甲骨、鎖骨も動くのでおすすめです。

上がり肩の改善方法4『肩甲骨・肩関節の最適化』

これまでの3つの改善方法を行えば、これからご紹介する2つのストレッチがやりやすくなります。

肩関節のストレッチ

人は日常生活では、腕を身体の前で使うことがほとんどです。

ゆえに、身体の後ろに腕が行く機会は圧倒的に少ないということになります。

このような偏りが動きの制限をもたらし、筋肉が硬くなったり、関節が動きにくくなります。

身体の後面に腕を動かすことを「肩関節の伸展」と言います。

この伸展動作ができないことは巻き肩や猫背の原因の1つと言えます。

最初はこのストレッチ非常に難しく感じると思います。

無理せずにできる範囲で行ってみてください。

背中ストレッチ

日常生活でいい姿勢を心がけようと胸を張ることを意識している人は多いと思いますが、背骨を丸めた状態で背中を伸ばしている人は少ないと思います。

つまり、背中の筋肉も伸ばされる機会が少なく、逆にいい姿勢を意識しすぎるあまり背中が緊張していることが多い印象です。

肩を上がりにくくするためには背骨を丸められ、肩甲骨を広げられ、背中を広く伸ばせるようにする必要があります。

この背中のストレッチも最初は難しく感じるかもしれませんが無理をせずできる範囲で行ってみてください。

大切なのは無意識での正しい位置のキープ

上がり肩の4つの改善方法を試してみていかがでしたか?

立った時の感覚は変わりましたか?

今、いつもより軽く自然と力が抜けていると感じた方は行ってきたエクササイズが上手くハマった方です。

そのポジションが正しい位置です。

つまり、いい姿勢を作ろうとして作れるものではないということです。

いい姿勢、いいポジションをキープするには絶対的に運動やエクササイズ、トレーニングが必要ということです。

上がり肩の4つの方法を行ってもあまり、変化を感じられなかったという方は、動きの制限がかかりすぎているか、動作そのものが何か間違っていたのかもしれません。

動画の中だけでは説明できない個々に必要なポイントが必ず存在します。

人の身体は千差万別です。

同じ動作なのに結果が出る人、出ない人必ず出てきます。

その場合、違うアプローチが必要です。

ここで紹介した4つの改善方法はあくまで一例です。

個々にあった最適な運動は実際にお会いして、身体を見ないと難しいです。

オンラインでは限界があります。

絶対に改善したい方はオフラインでプロの指導を受けることを強くお勧めします。

この記事を読んでいただき、実践していただきありがとうございました。

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