トレーニングノート

ランニングで腰に痛みを感じる方の痛みの原因と改善法

カラダ一つで行えることもあり、ランニングが気軽に行える健康目的の運動としてライフワークに取り入れている方も多いと思います。

また、その成果を発揮するものとして「フルマラソン」にチャレンジする方も多いのではないでしょうか。

しかし、健康増進で始めたランニングが逆に身体の痛みを抱える原因となっている方が大勢います。

今回はその中でランニングによる「腰の痛み」に焦点を当ててお話を進めていきます。

  • ランニングによる腰の痛みの原因
  • 腰の痛みに対するアプローチ
  • ランニングで腰の痛みを緩和するためのエクササイズ

までをご説明していきます。

痛みを少なくして、快適なランニングライフを楽しみましょう。

ランニングによる腰の痛みの原因

まず、知っておきたいことは慢性的な腰の痛みは急に起こるものではないということです。

どんな痛みも慢性的な場合は他の部位の悪い影響を受けて痛みを生んでいます。

痛みの種類

身体の使い方が人それぞれあるように、「痛み」というのも人それぞれ違うのもで、今回はランニング中に「痛み」や「張り」などを感じる方や、ラニング後に「痛み」や「凝り」などが続くという方などへ向けた、原因と改善方法をお伝えいたします。

痛みがある場合の疑うべきポイント

ランニングによる腰の痛みの原因として、まず疑うべきポイントは、

  • 体幹を使えているか
  • 腰周りの筋肉が緊張していないか

このの2点です。俗に言う体幹とは「インナーユニット」という4つの筋肉から構成される身体の動きの核となる中心部分のことを言います。

横隔膜

腹横筋

多裂筋

骨盤底筋群

腰を痛めた時などに着用するコルセットをイメージしていただくとわかりやすいと思います。

天然のコルセットという感じでお腹、腰の内側を安定させるように存在しています。

この身体の動きの中心部分が機能することで、胴体の安定という役割をしっかりと全うすることが可能となり、身体全体が連動的に動ける仕組みになっています。

しかし、このインナーユニットが機能していない状態でも人間は身体活動が可能です。

これが非常に厄介であり、間違った使い方のまま身体活動を続けることで痛みの大きな原因となります。

その間、インナーユニットの代わりに働いている部位が存在します。

本来インナーユニットが姿勢の安定、胴体の安定の役割をするのですが、その代償を担った腰が働き過ぎとなり、長期に渡る緊張状態が続き「痛み」として表れます。

そこがこの場合「腰方形筋」という部位になります。

腰方形筋

この腰方形筋は一般的に身体を横に倒す時(側屈)に働く筋肉です。その他の働きとして、肋骨から骨盤に付いているので肋骨を下に引っ張っるという働きもしてしまいます。

腰の痛みに対するアプローチ

まずは痛い部分である「腰方形筋」緩めるということが肝要になります。

方法としては以下の2つがあります。

  1. 「腰方形筋」リリース
  2. 「腰方形筋」ストレッチ

アプローチの順番としては

  1. 「腰方形筋」リリース
  2. 「腰方形筋」ストレッチ

1→2という流れで改善を行います。

1.腰方形筋のリリース方法

まずは腰方形筋の場所からお伝えします。

腰方形筋は骨盤から始まり、最も下位の肋骨と腰骨(腰椎)に向かって走行しています。(以下の画像参照)

腰方形筋のリリース

リリースとは、その局部を手技によって押したりつまんだりゆすったりさすったりすることで筋の緊張を緩める方法です。

今回はセルフで行える指圧(指で押す)という方法をご紹介します。

詳しい方法は下記の動画をご覧ください。

上記の動画にあるように身体を横に倒しながら腰方形筋を親指で押すとズシッとした鈍痛を感じると思います。

これを30〜60秒も行えば痛気持ちよくなってきます。それが緩んだ証拠です。

2.腰方形筋のストレッチ

ストレッチはご存知の通り筋肉を伸ばすことです。筋肉の始まり(起始)終わり(停止)を理解した上で、その双方を引き離すように伸ばすことで最も効果が得られます。

実際の方法は動画を参考にして行ってみてください。

順番としてはリリースを行ってからストレッチを行うと緩みやすくなります。

ランニングで腰の痛みがなくなるためのエクササイズ

そもそもランニングとは動作を分析すると

「上半身(腕)・下半身(脚)を同時に使いながら小さいジャンプの連続を行い続ける」

という非常に高度で複雑な動作ということを理解していないといけません。

ランニングにおける体幹はこの上半身と下半身を連結する重要な役割を担う部分となります。

ここを使えていないということは上半身と下半身は連動することなくバラバラに働くことになります。

上半身と下半身の連動性をあげるエクササイズ

上半身と下半身のバラバラな動きがパフォーマンスの低下と怪我のリスクを上げてしまう大きな要因となります。

その改善のための初期段階として、仰向けに寝ころんだ状態と四つ這いの状態で体幹と四肢を連動させる運動を行います。

初級編エクササイズ ~デッドバグ~

このエクササイズは胴体が地面についた仰向けの状態で行うため、体幹が安定しやすくなります。

よってお腹の意識がしやすいため上半身と下半身の連動がスムーズに行いやすいことがメリットです。

動画のデッドバッグを日常で空いた時間に、交互に10回を2〜3セット程度行うようにしてみてください。

活動前に体幹と手脚を連動させて動かすことで日常動作にも良い影響を与えます。

中級編エクササイズ~ポコジャンプ~

結局のところ片足ジャンプの連続であるランニングはジャンプが基本となるのでジャンプが上手くできないことには衝撃を身体全体で受けることができず、それが腰や膝にきてしまいます。

デッドバグで得た体幹の安定感覚を持ったまま足首を安定させるポコジャンプの習得を目指してください。

ポコジャンプが上手くできると体幹の安定、アキレス腱腱反射などランニングに必要な要素がトレーニングできます。

基礎編エクササイズ ~ドローイン~

ポイントとしては、上記の「デッドバック」「バードバック」の運動でお腹がしんどくないという方も中にはおられます、このような方の場合は、実は体幹が使えていないという可能性があります。

その場合は「ドローイン」をまずマスターしてからこのエクササイズに挑戦してください。

このドローインをした状態で再度エクササイズを行うと「〇〇がきつい!」という感覚が掴めるはずです。このきついという状態がインナーマッスルを支えている感覚となります。

ドローインを行ってお腹周りに感覚が出たら、デッドバグやバードドッグに再挑戦してみてください。

安定感が増すことを実感できます。

腰の慢性的な痛みを防ぐためにトレーニングよりも大切なこと

「痛みの原因は習慣にあり」

一度のトレーニングより、毎日の意識!

ドローインをマスターされた方は日々、活動時間は常にドローインを意識し続けてください。

人間は非常に優れた生き物で、人間には「ボディマッピング」という身体に習慣を覚えさせる機能が備わっています。

その人の習慣がその人の日常を作ります。

ドローインをせずに体幹が安定していない状態のまま過ごしているために身体はこれが正しいと判断してしまっているだけです。

これを意識し続けることによって新たな習慣が上書きされ、継続し続けることでその習慣は無意識化します。

ここまで到達すればあなたの腰の痛みは知らぬ間に消えているはずです。

それはもちろんランニングの時も自然にできるということになります。

まとめ

ランニングによる腰の痛みは腰そのものが原因ではなく、インナーユニットという体幹の安定を司る部分が機能していないためにその代償を“腰方形筋”という筋肉が担った結果です。

まずは日常的にドローインを意識し、インナーユニットを使う習慣を身につけましょう。

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