ダイエットのための筋トレ効果を上げる糖質の摂り方
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ダイエットを目的にジムに通われる方はとても多い昨今ですが、私たちが実践するパーソナルトレーニングでは食事の制限を行う際に、極端な糖質制限は行わないようにしています。
声を大きくしてお伝えしたいのですが、正しい筋トレと糖質の組み合わせは体重の管理にすごく有効です。
実は3食しっかり食べても痩せるからなのです。
食べてもいい!と言われるとなんだかやる気になりませんか?そのモチベーションも筋トレやダイエットにはとても必要なことなのです。
それではその秘訣をお伝えしていきます。
まずは痩せやすい筋肉づくり
やはり、痩せやすい身体となると「筋肉」というワードが浮かぶ方が多いと思います。
まさにその通りで、筋肉を作ることで代謝は上がりやすくなり、代謝が良いと痩せやすい身体(エネルギーを使える身体)へとなります。
これをは車で例えると・・・
「筋肉が多い」=『エンジンが大きい』
ということです。
これは軽自動車よりF1カーの方が燃料をたくさん使うイメージです。
つまり、筋肉が多い方が、人間の燃料である食べ物をより消費するということです。
筋肉づくりは、エンジンを大きくする作業だと思ってください。
消費をアップさせるためには大きな筋肉の筋トレが効果的
では、その人間のエンジンである筋肉をより効果的に増やすためには大きい筋肉から鍛えればよいと思いませんか?
まさにその通りです。
わかるやすくお伝えすると、「大きい筋肉」=「体積が大きい」と覚えてください。
体積が大きい筋肉の代表の上位を占めるのが下半身の筋肉です。
大腿四頭筋 (前太もも)、 ハムストリングス(裏太もも)、大殿筋 (お尻)、大内転筋 (内太もも)など女性は特に気になる部分ではないでしょうか?
体積の大きい筋肉の筋トレと代謝の関係についての記事を掲載しておきますので気になる方はご覧ください。
大きい筋肉のトレーニングで代謝アップを目指せ!痩せやすい身体作りでダイエットを成功させよう!!>
筋肉を増やすという部分にフォーカスするのであれば、基本的には下半身を中心に筋トレを行うことをオススメします。
特に女性にオススメするのは「ブルガリアンスクワット」です。
オススメ理由は単体の筋肉としては最も大きい大殿筋(お尻)の筋肉を最も効率的に鍛えられるからです!
しかも、負荷がそれほどなくても効き目がスゴい!
なので、自宅でも行えます!
ぜひ、マイ筋トレに取り入れて欲しいです!
ブルガリアンスクワットの方法などその他、解説はこちらをご覧ください。
ヒップアップに一番効く最強筋トレ「ブルガリアンスクワット」>
筋トレ効果を上げる糖質の摂り方
筋トレをご自身で行なっている方はとても多いですが、以下のような効果的な構図をご存知の方は少ないのではないでしょうか?
こちらはトレーニング指導を行う際に指導の方針としてご説明する内容なのですが、実は・・・
「筋トレ効果を上げる」=「筋肉を増やす」=「糖質とタンパク質の同時摂取」
こういう構図がトレーニングの効果をアップさせることになります。
「糖質」という項目があることにお気づきになられる方もおられますが、実は糖質が筋トレの効果を上げるには必須の栄養素になることは一般の方にはあまり知られていないところになります。
糖質がどのように筋力アップに貢献しているのかはこちらの別の記事にまとめていますので、なんで!?と思われた方は一度読んでみてください。
糖質は筋トレ時に必須!痩せるために行う筋トレに糖質が必要な理由を解説>
糖質とタンパク質の同時摂取の参考例
それでは、1日を通しての糖質とタンパク質の同時摂取の参考例を挙げながら解説していきます。
おすすめの日常の食事の摂り方(具体例)
朝食の基本
白米100g、みそ汁(1杯)、お新香、焼き鮭、のり、納豆
昼食の基本
白米100g、みそ汁(1杯)、鶏肉(ソテーなど)や豚肉(冷しゃぶなど)、ほうれん草のおひたし
夕食の基本
白米100g、みそ汁(1杯)、牛肉(ステーキなど)、サラダ
間食の基本
間食には和菓子などの人工甘味料が入っていない甘みのあるもの。
上記のような構成を基本に、炭水化物の量だけを調整しおかず類(タンパク質)は自由に摂取してもらっています。
タンパク質の量の目安としては、体重とトレーニング強度に合わせて量を決めます。
下記の表を参考にしてみてください。
トレーニング強度 | 体重1kgあたりの摂取量 | |
Light | 低強度で疲れは残らない程度 | 1~1.5g × 体重(kg) |
Middle | 充実感があり丁度良い | 1.5~2g × 体重(kg) |
Hard | 高強度で疲労感が残る程度 | 2~3g × 体重(kg) |
揚げ物やお酒などは頻度制限の対象になります。
糖質の摂取量に関しては後程説明します。
navisではダイエットを目的とするトレーニングにおいても、難しいことはせず、少し量を気にするだけになります。
筋肉をつくるために同時に摂るべき食材
健康的に痩せるためには、適度の筋トレと適した食事が大切です。
食事に関して言えば「糖質とタンパク質の同時摂取」がポイントです。
糖質とタンパク質を一緒に摂取することで、筋肉への糖の取り込みに関わる血中のインスリン濃度が上昇し、グリコーゲンの回復が早まるというエビデンスも出ています。
国立研究開発法人科学技術振興機構:スポーツ栄養における脂質の活用pdf>
これを簡単に説明すると、タンパク質が体内で分解されてアミノ酸に変換されるという流れです。
このアミノ酸が膵臓(すいぞう)に作用してインスリンの分泌促進、さらに消化管ホルモンの分泌も増加されるためにグリコーゲン回復が早まるという訳ですね。
結論、『炭水化物+タンパク質』の組み合わせが筋肉をつくるために最も有効です。
王道は、「白米+魚・鶏肉・豚肉・牛肉」
これは普遍的な組み合わせだと思います。
魚や肉類の部位や種類はさほど気にする必要はありません。
筋トレ前と後?糖質を摂取するなら
ダイエットのトレーニング中でも糖質を取ってよいとお話しすると、筋トレ前に摂取して、筋トレで無かったことになるんじゃない!?というような冗談じみたご相談をよくいただくのですが、実は厳密に言うとどっちも摂ったほうがトレーニングの効果が出やすくなります。
まずトレーニング前に糖質が足りていないと、本来の力が発揮できないのでパフォーマンスの低下に繋がります。
わかりやすく言うと、スクワットで普段は50kgの重さを持てる人が糖質不足だと40㎏しか持てなくなるというようなイメージです。
筋トレを行う際に、ポイントとなるのが糖質を摂る「タイミング=時間」です。
これが非常に重要です。
- 筋トレを行う2~3時間前が理想
- 筋トレ後2時間以内には摂ることが理想
この2つのベストタイミングについて理由を簡単に解説していきます。
筋トレ前の摂取ベストタイミング
筋トレ前に炭水化物を摂取するベストタイミングはトレーニングの2~3時間前です。
バナナなどの単糖類といわれる食物は30分前に摂取しても早くエネルギーに代わります。
筋トレをしている人がバナナを好んで食べているのはエネルギーになりやすいからなのです。
固形の炭水化物を筋トレの2~3時間前に摂るべき理由は炭水化物が消化・吸収の過程を経て必要なエネルギー源として筋グリコーゲンに貯蔵するために要する時間です。
筋グリコーゲンを十分な量に高めておくことで強度の高い筋トレに対応できます。
筋トレ後の摂取ベストタイミング
ではトレーニング後は糖質を使い果たしてしまうため疲労や回復を筋肉から分解しようとしています。
つまり、トレーニング後の糖質は身体の回復のために必要なのです。
このように同じ栄養でもトレーニング前と後に摂る意味合いはガラッと変わってきます。
ただ、筋トレ後のタイミングに関しては様々な見解があります。
2時間以内と上記しましたが「筋トレ後約1時間後がピーク」「筋トレ後30分以内が望ましい」と2時間以内の中で意見が割れます。
では、その中でもどこが望ましいのか?
個人的な意見になりますが感覚に任せて、摂れば良いと思っています。
特に、ハードな筋トレをした場合30分以内に食欲が湧かないという人も多いと思います。
こういう場合は、身体に耳を傾け「プロテインならいける」となるのか「身体が整いもう少し落ち着いてから1時間後にしっかり食事を摂ろう」となるのか、その時の感覚を頼りに摂れば良いと思います。
食欲が湧かない理由は、疲れ果てた筋肉に酸素が足りていないため、血液が筋肉に酸素を送ろうとするためです。
これが落ち着いてきた時に徐々にお腹が空いてくるはずです。
これが内臓にも血液を回す準備が整ったサインだと思ってください。
なので、毎回決まったルーティンで摂る必要は無いと思います。
毎日、体調も気分もコンディションもストレスレベルも異なる訳なので、臨機応変にタイミングをコントロールすることが理想的と考えます。
結論を言うと、2時間以内に摂るようには心がけて、日によって早めに摂るか、遅めに摂るかを決めれば良いと思います。
筋トレ愛好者が1日に摂るべき総糖質量
「筋トレ効果を上げる糖質の取り方」の項でタンパク質量摂取の目安をお伝えしました。
この項で糖質の摂取量の詳細をお伝えします。
筋トレを行っているなら、タンパク質と同時にきちんとした量の糖質を摂らなければ筋肉は合成されません。
そこで重要なのが、その量です。
これは体重と筋トレの強度によって摂るべき量が変わってきます。
下記の表を参考に糖質摂取量を調整してみてください。
トレーニング強度 | 体重1kgあたりの摂取量 | |
Light | 低強度で疲れは残らない程度 | 3~5g × 体重(kg) |
Middle | 充実感があり丁度良い | 5~7g × 体重(kg) |
Hard | 高強度で疲労感が残る程度 | 6~10g × 体重(kg) |
この数値は国際オリンピック委員会(IOC)が発表しているトレーニング強度別の糖質推奨量です。
国内でプロテインなどがトップシェアのDNSが糖質摂取に関する内容をご紹介しています。
そちらの記事を貼り付けておきますので気になる方はご覧ください。
摂っていい糖質・控えたい糖質
上述してきましたが、糖質が少ない食事ではダイエットすることはできません。
ダイエットが出来ないというより正しく痩せることが出来ないと言ったほうが良いかもしれません。
ダイエットは体重を落とすことが目標ですが、筋肉を落として痩せても意味がないからです。
基本的には体重を落としますが筋肉を残し、なるべく脂肪だけを落とすことが真のダイエットだと言えます。
そのテクニックの一つとして糖質制限があります。
最初にもお伝えしましたが糖質はエネルギーです。
エネルギーが無いと身体の機能は正しく働きません。
つまり、基礎代謝などのカロリー消費を促すためには糖質が必要なのです。
では、「どんな糖質を摂取するべきか」というところに辿り着くわけです。
多くの日本人が口にしている糖質
糖質はほとんどの物に含まれています。
普段から食べているもの、食べなければならないものに必ず含まれています。
しかし、これらを食べずに生活することは身体には最悪の状況だと言えます。
特に主食はしっかり食べなければ代謝が下がってしまうので痩せづらい身体になってしまいます。
それぞれ、どれぐらいの糖質量が入っているか見ていきましょう。
主食
- 白米100g(おにぎり1個)→約37g
- うどん180g(1杯)→約40g
- パン60g(6枚切りを1枚)→約29g
甘いもの
- チョコレート100g→約52g
- クッキー1枚→約6g
- ショートケーキ1/8カット→約42g
- 大福1個→約48g
などの甘いものにも必ず含まれています。
ただ、主食と大きく異なるのはこれらの甘いものは、ほぼ単糖類で吸収速度が早く、かつ筋肉、骨、内臓などの栄養素であるブドウ糖ではなく、果糖やガラクトースが主成分となるため、脂肪に変わりやすくなります。
糖質が少ない食べ物
- 豆腐100g→約1g
- 納豆1パック→約4g
- 緑の濃い野菜類100g平均→約5~2g
- 鶏肉100g(もも・むね)→ほぼ0g
- 魚100g(さけ・かつお・マグロ)→約1~0.2g
- 卵→ほぼ0g
などの大豆系の食品と動物性の食品は糖質が少ない食品といえます。
つまり、糖質制限を行うと自然に「おかずの量=タンパク質」が増えるような仕組みになります。
主食でオススメ
- 白米
- 玄米
GI値の関係から特に玄米がオススメですが食べにくい方は白米でも大丈夫です。
一日の中で朝と昼にしっかりご飯を食べる事で、代謝をぐんと上げることが出来ます。
米類は活動エネルギー、人体の構築に必須なブドウ糖のみで構成されている上に、でんぷん質のため吸収速度が緩やかになります。
なので、摂取すべき糖質は白米や玄米のようなご飯となります。
甘いものはコントロールして摂る必要があります。
食物繊維と糖質を同時に取れる食材
ダイエットは糖質とうまく付き合っていくことが大切です。
例えば、糖質の説明で「食物繊維と一緒に摂ることで吸収を緩やかにする」という事を書きましたが、そこでオススメなのが芋類(特にさつまいもがオススメ!)
さつまいもは食物繊維が豊富なので糖度の高いさつまいもでも脂肪に代わることはほとんどありません。
GI値が低い食品を選ぶことで太りづらい身体が形成されます。
しかし、そこにもデメリットがあり、急激に体重が落ちるわけではないのでメンタルコントロールや日々の食生活を維持する必要があります。
その長い期間を一緒に頑張れるのはパーソナルトレーニングの最大のメリットだと言えます。
反対に積極的に摂るべきではない糖質
- パン
- 麺類
などの小麦粉製品です。
糖質が高いというよりは小麦粉はグルテンが日本人の身体に合っていないと考えられています。
日本人はもともとグルテン不耐症であり、小麦粉製品にはめっぽう弱いのです。
グルテンを摂取すると腸内環境の悪化により内臓器官が正しく働かず、代謝が落ち込んでしまったり、下痢や便秘などの腸の活動が妨げられてしまう為、気をつけるべき糖質です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
糖質と筋トレの関係をご説明してきましたが、糖質が筋肉づくり・身体づくりにはとても有効だということをお分かりいただけたのではないでしょうか?
ダイエットには、体を鍛えることと食事の制限どちらも有効な手段ですが、糖質を極端に抜くということは、全くの逆効果になってしまいますので、これを機会に見直していただければと思います。
とりすぎがよくないので、定量で抑えるという努力が、またやりがいにも変わってきますので、ぜひ無理なダイエットではなく、ご自身にあった健康的な痩せ方を見つけてください。
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