かかと上げ運動でふくらはぎが太くなるって本当?美脚専門ジムが徹底解説

「ふくらはぎを細くしたい。」
「脚のラインをすっきりさせたい。」
そんな思いから、かかと上げ運動を始める人は少なくありません。
かかと上げ運動は、椅子に座ったままでも立ったままでもできて、特別な器具も特に必要ないので筋トレ初心者でも挑戦しやすいシンプルなエクササイズになります。
しかし、かかと上げ運動を続けている人からは「毎日やっていたら、ふくらはぎが前よりも太くなった気がする。」「引き締めたいのに筋肉が張ってゴツゴツみえる様になった。」などの悩みの声を聞くこともあります。
実際に体験トレーニングを受けに来られたクライアントさんの殆どが、ふくらはぎの張りなどを気にされています。美脚をつくる上で皆さんがとても気にされている部位になりますので、今回はかかと上げ運動でふくらはぎが太くなってしまうメカニズムから解消法までを徹底解説していきます。
かかと上げ運動でふくらはぎが太くなるメカニズム
まず、ふくらはぎとはどの筋肉を指すのかをみていきましょう。
上記画像にあるように腓腹筋とヒラメ筋を総称して下腿三頭筋といい、腓腹筋は踵から大腿骨(太ももの骨)まで走り、膝関節と足関節の2つの関節を跨ぐ筋肉で、膝関節と足関節を跨いでいることで膝を伸ばした状態で、かかと上げ運動をすると働く筋肉になります。
ヒラメ筋は膝関節は跨がずに足関節だけを跨ぐので座った状態でかかと上げ運動をすると働く筋肉になります。
ふくらはぎの筋肉は上記の通り、立ってかかと上げ運動を行えば腓腹筋、座ってかかと上げ運動を行えばヒラメ筋が鍛えられます。
かかと上げ運動を行ってふくらはぎが太くなったと感じている方は、この2つの筋肉を、間違った方法で頑張って鍛えているから太くなってしまっていることが多いので、腓腹筋とヒラメ筋を意識して闇雲に一生懸命鍛えるのはNGといえます。
この双方の筋肉はいずれもアキレス腱へとつながり踵の後面についており、このアキレス腱がふくらはぎを太くさせないための最大のポイントになります。
かかと上げ運動の際にいかにアキレス腱が使えるか!
アキレス腱が使えないかかと上げ運動をすることで腓腹筋・ヒラメ筋への刺激ばかりになってしまうので、ふくらはぎが発達して太くなっていくのですが、これは、かかと上げ運動ではなく、足の指の付け根立ち運動になってしまっており、かかとが十分に上がらずにハマらない状態で、指の付け根で地面を押してかかと上げ運動をした結果、ふくらはぎの筋肉が頑張りすぎてしまっている結果といえます。
踵がハマり切らないと赤い矢印方向に指の付け根で床を踏むことになり、ハマり切っていない踵は青い矢印方向に落ちようとして、それを落とさないようにするためにふくらはぎの筋肉が頑張ってしまいます。
逆に、下図の様に踵が青い矢印方向にハマり切ると、足首が指の付け根の真上に来るので踏むというよりは、赤い矢印方向に垂直方向に乗るという形になり骨で支える感覚になります。
ふくらはぎが太くならないかかと上げ運動
ふくらはぎが太くならないかかと上げ運動は、先ほど述べたように足の指の付け根で立つのではなく踵を上げた時にかかとがハマる位置までしっかり前方へ入れ込むということがポイントです。
この時、骨がガコッとハマって骨に乗る感覚があればOKで、このポジションまで入り込むと足の指の付け根、足首、骨盤のラインが一直線になります。
このラインに入ると踵を上げているのにふくらはぎの筋肉はゆるゆるの状態をつくれるのですが、これがアキレス腱を使っている状態で、実際にアキレス腱が縮む感覚、締まる感覚がでてきます。(締まってはいるがさほどキツくはなく、いつまでもその状態でいれそうな感じにもなります。)
この動きが感覚的にわかってくると、かかと上げ運動の時に体重の圧が掛かるポイントが指の付け根ではなく、ショパール関節やリスフランス関節が締まり、そこで受けれるようになります。
この2つの関節により、いわゆる足のアーチが保たれていて、美脚にはとても重要な関節になります。
ショパール関節の役割は、足の剛性や柔軟性をコントロールで、アキレス腱とショパール関節が締まり剛性が高まり、安定感が高まるようになります。
リスフランス関節は後足部と中足部のバランスをコントロールする役割を持っていて、アキレス腱によって締まった足首後方とショパール関節によって締まった足首前方をリスフラン関節によってバランスを取りコントロールします。
これらの特性を鑑みて、この2つの関節が機能してアーチ構造を保ったまま、アキレス腱をつかえることが理にかなったかかと上げ運動ということになります。
ふくらはぎが太くならない様に普段から気をつけたいポイント
これまでの内容からもわかるように、ふくらはぎが太くならないポイントは以下のことになります。
- アキレス腱を締める使い方を覚えること
- ショパール関節とリスフランス関節を機能させること
この2つを押さえた立ち方をかかと上げ運動時だけでなく、普段の生活から意識することが最も重要な基本となります。
ふくらはぎが太いと感じている場合、日頃から踵重心で過ごしていることがほとんどで、そうなると膝は伸びてアキレス腱も伸びてつかえず、ふくらはぎが伸びて広がった状態で固くなっていきます。
意識して欲しい基本の立ち方は、理にかなったかかと上げ運動をした状態からアキレス腱にテンションが掛かった感覚を残したまま踵を下ろしていくこと。これができていると、アキレス腱に程よいハリとショパール関節、リスフランス関節への荷重を感じ足首が締まった感覚が得られ、下図の様に脛骨はやや前方に傾斜していきます。
普段からこの感覚で立つことが、ふくらはぎが太くならないために非常に重要なポイントになります。
思ったよりも足の前側に荷重がかかり、いつもより前重心に感じると思いますが、それは今までがエラーだったからで、上記が本来あるべき立ち方になります。立ち方を見直すことがふくらはぎを太くしない重要なポイントなので、かかと上げ運動だけではなくて、普段の生活の中で意識し続けてみてください。
まとめ
かかと上げ運動でふくらはぎが太くなるのか?の答えは、正しい運動が出来ていなければ太くなるになります。
かかと上げ運動をしていてふくらはぎが太くなったと感じられている方は、勘違いではなくて本当にふくらはぎが太くなってしまっている可能性が非常に高いので、ぜひ正しいかかと上げ運動を心掛ける様にしてください。
もし、感覚がよく解らない場合は、よりふくらはぎが太くなる可能性があるので、ふくらはぎ運動はしない方が無難です。そんな場合は、日々の生活の中で立ち方などを見直して、正しい立ち方を習得してから、ふくらはぎ運動を実施するようにしてください。