トレーニングノート

身体調律とは何か?

身体調律

身体調律という概念は現段階では、きちんと固定されたものではありませんが、一般的には、骨格や筋肉のズレ、緊張を手技やストレッチで整え、身体を本来の自然な状態へ導く施術という様に云われていますが、身体を本来の自然な状態へ導くことは想像以上に難しくゴールがないと云っても過言ではありません。そんな身体調律を出来るだけ詳しく解りやすく以下にまとめていきますので参考にしてください。

身体のOSを書き換える身体調律という本質的アプローチ

「正しい姿勢をキープしようとして、逆に疲れてしまう。」「筋トレやストレッチを頑張っているのに、思うような変化が出ない。」もしそう感じているなら、それは身体を固定された構造物として捉えてしまっているからかもしれません。本質的なパフォーマンス向上とは、筋力をつけることでも、身体の形を整えることでもありません。それは、身体を動的なネットワークとして捉え直し、自分自身を再構築するプロセスであり、それが身体調律という本質的なアプローチとも云えるものです。

固めることをやめれば身体はもっと自由になる

多くの人が安定を固定することだと誤解していますが、生命本質は止まったり固めたりすることではなく、常に動きながら保たれている動的平衡にあります。外側からみれば静止しているようにみえても、内側ではあらゆる身体活動が生まれて振動し続けています。

自然界に完全な静止が存在しないように、身体もまた止まっているのではなく振動が相殺されている状態にあり、それが心地よいゆらぎとなり自然な動きとしてあらわれ、それは水の様に漂うような滑らかさや、風になびくような柔らかい美しい動きのイメージです。

現代において問題となるのは、このゆらぎを固定として捉えてしまう視点の硬さであり、神経も心の動きも固定されたものではなく、ゆらぎのなかで常に再構成されています。この再構成されるものこそが安定であり、それは止まらない動きの中でしか生まれることはありません。

究極のニュートラルである中心のない循環

脱力をしてリラックスすることは必要ですが、それだけでは不十分であり、身体調律が目指すべきはどこにも偏りがないのに、すべては最適に動ける中心のない循環です。身体感覚、身体意識、身体操作、そしてそれを取り巻くものは、どこか1つの中心に支配されいているのではなく、複雑な関係性のネットワークによって保たれており、それはまるで渦や螺旋と云った固定されたものではなく、変わり続け、ゆらぎながら保たれている流れそのものです。

「何をしているのか。」という手法に走る前に「どのように私を観察するか。」という問いに立ち返ること。どこにも力が入ってないけれど、すべてが入っているニュートラルという中心のない秩序に身を置くとき、身体は構造の束縛から解き放たれ、ゆるみ、しなやかな循環を回復していきます。

これは身体全体を共鳴状態へ導くともいえ、そのためには解像度を高め、内側からの目を持って自身をみつめる感度が必要となります。この内観力を磨き高めていくことこそが本来あるべき運動の概念ではないかと考えています。

身体調律とは何か?をまとめると

身体調律を定義づけることは難しいことですが、上記を踏まえて、まとめてみると、身体調律とは単なるエクササイズや姿勢矯正の枠を超えた、身体のOSを根本から書き換える自己再構築のプロセスと云え、最大の特徴は、身体を固定された構造物ではなく、絶えず揺らぎながら安定を保つ動的平衡の状態(骨格・神経・意識がシームレスに連携する中心のない循環というネットワーク構築)を目指し、単なる脱力ではなく、どこにも力みがないのに全てが最適に機能しているニュートラルな状態を築いていくことです。

筋トレ等の負荷を頼る前に、まずは自身の身体をどう扱うかという身体操作と感度を磨くことを重視したものになります。

身体調律を実践する前にイメージしていただきたいこと

外界からの情報だけを追っていると、大切なことを見逃してしまい動きに対する本質にも気づきにくくなります。資格情報、言語情報、その他外側からの知識はとても重要なヒントをくれますが、そのヒントに対して自身がなにをどう感じたのかに目を向け、自ら疑問を見い出し、自身の力で解いてこと本質に近づき、問いの質も深まっていくのではないかと感じています。例えば…

  • 股関節が硬いから柔らかくしよう
  • 背筋が伸びた良い姿勢で立って良い姿勢で動こう
  • 腰痛だから背筋と腹筋を鍛えよう

など、どれも身近にある思考なので、少し調べたらこれらを解消する方法はたくさんでてきます。ほとんどの方がその方法をそのまま試していることが多いと思いますが、この時に、効果がでた。しっくりはきた。何も変わらない。など、何かしらの結果が現れてきます。効果がでたのであれば、それはそれでいいのですが、ほとんどの方がさして効果がでないのは、自身の目の向け方や疑問の希薄さなどが大きな要因になっている可能性が高いと云えます。

例えば、股関節を柔らかくしたい場合に「股関節が硬いからストレッチして柔らかくすればそれでいいのか。」「そもそも股関節は本当に硬いのか。」「股関節が硬いとはどういう状態なのか?」ということ。良い姿勢を目指すときに「背筋が伸びていれば良い姿勢なのか。」「良い姿勢とはなんなのか。」ということ。腰痛を無くすのに腹筋と背筋を鍛えたら良いということがよくでてきますが、腰痛が何故起こっているかに目を向けられているのか。こういった部分的な気づきを大切にすること。方法ばかりではなく、原因とそれに不随する疑問に目を向けることがとても重要です。

その様な気づきに丁寧に向き合うことで新たな気づきや発見、感動が芽生えはじめ、この流れを次に次に紡いでいくことで、今まで部分として動いていたパーツが繋がりはじめ、パーツとして働いていた身体が1つの構造体として繋がりはじめていき、これを身体が通る感覚と表現しています。

自身では気づいていなかった常識の外側に目を向けていくことで部分という捉え方から繋がりという循環的な肉体と思考に転換していくので、まず改革すべきは思考になります。思考次第で身体操作はいかようにも変化し、これが身体調律を行っていくうえて最も基本的で重要なことになります。

自分史上最高の身体へ