ウエストが細くておしりが大きい骨格とは?くびれとヒップの関係性を解説
鏡を見るたびに「ウエストは細いのに、おしりだけ大きく見える…」と感じたことはないでしょうか?実はこの体型は単なる脂肪量の問題だけではなく、生まれ持った骨格の特徴や姿勢の癖が大きく関与しています。
おしりが大きいというと、ついつい「脂肪がついたから。」と思い込んで、ダイエットや運動をはじめてしまうのですが、痩せたら解決という訳ではなく、構造をしっかりと理解して正しくアプローチしていくことが大事になってきます。
ウエストが細いのにお尻が大きいという問題は、そもそも胸郭が骨盤に対して小さいという骨格である可能性もあります。(先天的な骨の大きさ・太さ・長さは変えられません。)ただ、だからといって先天的な骨格の問題だからと諦めるのは早計といえます。
原理原則を理解し実践し続け、骨の使い方を変えれば誰でも変化は起こすことは可能なので、今回の記事では、ウエストが細くておしりが大きく見えてしまう方むけに、メカニズムと解消法をお伝えしていきますので参考にしてみてください。
ウエストヒップの黄金比
まず、色々と話を進めて行く前に知っておいて欲しいのがウエストとヒップのバランスには黄金比があるということです。くびれていれば良いというものでもなく、お尻が丸くてキレイであれば良いというわけでもなく、全てはバランスになります。
何でもキレイにみえる割合が存在し、ウエストとヒップのバランスも最も美しく見える比率が存在しており、 その計算式が…
ウエストヒップ比 = ウエストサイズ ÷ ヒップサイズ
に、なります。上記の計算で出た数値は以下のように振り分けることができます。
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0.65~0.70 |
ラテン系の資質あり。生まれ持った骨盤と程よい脂肪が乗ったお尻がないとこの数字はでない。 |
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0.70超~0.75 |
現実的な目標とする数値であり、日本人が目指すべき美尻ラインはここ。 |
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0.75超~0.80 |
カラダのラインにメリハリが少なく、曲線的なラインではなく直線的である。 |
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0.80超~ |
お腹に脂肪がついていて、お尻は脂肪が多く垂れてしまい平らで四角いお尻。 |
この数値が0.80を超えてくるようであればダイエットに比重を置かなければいけませんし、0.75超~0.80だとお尻のボリュームを上げないといけないかもしれません。0.70超~0.75だとお尻よりも上半身に比重を置いて背中やウエストにフォーカスしたトレーニングが必要になるかもしれませんので、まずは、自身がどのゾーンに入っているか確認してみましょう。
数値だけでは測れない見た目
上述した計算では、どのゾーンに入りました?納得できるという人もいたのではないでしょうか。
ただ、評価としては良いゾーンには入っているものの自分で思い描いている見た目にはなっていないという人も少なくないはずで、それが数値だけで評価する落とし穴です。
単純に、この計算式はウエストの周囲をヒップの周囲で割ったもので、周囲の長さは一緒でも形が違えば見え方は変わり、身体は3Dなので、なおさらそれが顕著にでてしまいます。
例えば、同じ周囲でも下図の様に円と楕円では見た目は変わります。

円になれば厚みは増し、楕円になれば幅が増します。
お尻が大きく見えるのはお尻が楕円に近い状態になって横に広がってみえていることが多く、お尻を変えていくにはサイズを小さくするだけではなく、形を変える必要があるということになります。つまり、お尻をどうにかしたいのであれば、単なるダイエットだけでは解決しないということを意味し、ボディメイクのための身体操作が必要になってくるということです。
ボディメイクのための身体操作
ボディメイクための身体操作とは何なのか?
いわゆる世の中の流れは、ダイエットといえば食事制限+筋トレが代名詞になっていて主流です。しかし、私の中では、自分の身体をいかに思い通り操れるかということがボディメイクには必要だと感じています。
美しさは細部に宿るという言葉があるように、骨を動かす感覚、関節を使う感覚、腱を使う感覚、他にも色々ありますが、どれもあまり考えたことがないものではないでしょうか。まず、自分の身体のことを全く知らないということを自覚し、理にかなった身体の使い方をすることでどういう変化が出るのかを考えるようにして欲しいです。
私も昔は誤った見方をしていましたが、身体のシステムを知らないままに、扱い方を知らないままに、筋トレをしてしまっていることが負の状況を生み出してしまいますので、まずは、骨の使い方。その中でも、ウエストは細いのにお尻は大きい問題に直結する仙骨操作をお伝えしていきます。

仙骨は、いわずと知れた、身体の中心に位置する最も重要と言って良い身体のパーツです。背骨の土台であり、骨盤の中心です。


まず、お尻の幅を狭めるために必要な動きの1つが仙骨の前傾後傾です。
【前傾】

【後傾】

この動きができないイコールお尻の筋肉は使えないことを意味します。お尻の筋肉は仙骨と腸骨という骨についているため、仙骨の前傾後傾はもちろん腸骨の前傾後傾もコントロールできるようになる必要があります。

少し誇張した表現をすると、骨盤を制するものがお尻を制するということになります。
下図の様に骨盤後面にある仙骨と腸骨が成す仙腸関節という関節がありますが、

ここを締める感覚(ニューテーション)を持つことがお尻の幅を狭くするのに、最も有効で最も理にかなった方法になります。

仙腸関節を使う基本のワーク
ヒップリフト
お尻の幅を狭くするのに、最もベーシックな仙腸関節の締まり(ニューテーション)を感じやすいワークはヒップリフト。
ヒップヒンジ・ヒンジバック
仙腸関節の締まりを感じながらと股関節の伸展、屈曲を覚えるワーク。
ヒップシフト
仙腸関節の締まりを感じながら骨盤の動きで片側の脚に重心を乗せるワーク。
ヒップローテーション
仙腸関節の締まりを感じながら股関節の複合的に動きを覚えるワーク。
まとめ
おしりが大きくて悩んでいる人もいれば、おしりが小さくて悩んでいる人もいます。ウエストが太くて悩んでいる人もいれば、ウエストが細すぎて悩んでいる人もいます。正直なところ、その人それぞれの趣味や感覚によって、良し悪しが決まるものですが、気になっているということはあまり良い状況ではありません。
なんでもそうですが、バランスというものはすごく重要で太っていても、痩せていても、バランスさえ整っていればある程度よくみえるものです。どこかのタイミングで気になり始めたのであれば、骨格の問題というよりは、なんらかの原因が基でバランスが崩れていってしまっているということですので、正しいことを行っていけば必ず良い変化を起こすことは可能です。
身体の探求は深くて簡単ではないので、少しでも正しい方法を模索して実践してみてくださいね。